Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

『ASL Starter Kit #4』太平洋戦線ルールメモその1 日本軍編


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Advanced Squad Leader Starter Kit #4(ASLSK4)ではいよいよ日本軍が登場する。

ASLSK4の日本語訳は、A grove of ASLにも見当たらなかったので、自分で訳してみて、ルールをまとめてみた。

ASLSKのルールブックには変更点にマークがしてあるので、その部分だけ訳せばプレイできそうだ。

今回は、8.1 The Japaneseを訳してみた。

war.game.coocan.jp

ASLSK4の8.0 Pacific Theaterのうち8.1 The Japaneseの部分をまとめたものだ。

訳については、保証しない。

誤訳や解釈の違いがあるかもしれないので、原文をよく読んでプレイしてほしい。

目次

 

8.1 日本軍

8.1.1 分隊

 日本軍分隊には混乱状態がない。

 

 いきなり驚いた。では裏面はどうなっているのだろうか?

 

 完全戦力面減少戦力面があり、両方とも統制状態である。減少戦力面は、赤い水平の帯で区別される。

 

 裏面を減少戦力面と呼び、裏面でも統制状態なのだ。

 

8.1.2 ステップ減少

 日本軍分隊や操作班は、MCに失敗したときはいつでも、ステップ減少する(損耗と/または徴集兵分隊がELR超によるMC失敗した場合以外)。混乱しない限り、日本軍ユニットは、ステップ減少しても、その時点の釘付け/CX 状態、そして目標捕捉状態は維持される。日本軍分隊と操作班だけが、ステップ減少の対象となる。

 

 MCに失敗=>混乱状態ステップ減少する。

 何らかの条件では混乱状態もあるようだ。

 

8.1.3 攻撃による混乱

 ステップ減少ではなく士気チェック(MC)に失敗、またはKIAの結果により混乱状態になった日本軍分隊は、いつも以下のいずれかの影響を受ける。

 ●完全戦力の分隊はステップ減少を被る。つまり、ユニットは裏返され減少戦力面になり、依然として非混乱状態とみなされる。
 ●減少戦力の分隊もステップ減少を被る。つまり、ユニットは非混乱状態のHSに取り換えられる。
 ●徴集兵でない完全戦力の分隊がELRを超えた場合、まず1クラス下の完全戦力分隊に置き換え(ELRを超えたため)、次に最初の●に従ってステップ減少する(MC失敗のため)。
 ●徴集兵でない減少戦力の分隊がELRを超えた場合、まず1クラス下の減少戦力分隊と置き換え(ELRを超えたため)、その次に二番目の●に従いステップ減少する(MC失敗のため)。
 ●徴集兵分隊(完全戦力か減少戦力かに関わらず)ELRを超えた場合、混乱した徴集兵HSになる。

 

 つまり、完全戦力分隊=>減少戦力分隊=>非混乱状態HSと変化していくようだ。

 完全戦力分隊がELR超の場合、1クラス下の完全戦力分隊に交換=>減少戦力分隊=>非混乱状態HSと変化していく。

 減少戦力分隊がELR超の場合、1クラス下の減少戦力分隊に交換=>非混乱状態HSと変化していく。

 徴集兵分隊がELR超の場合、=>混乱した徴集兵HSになる。

 

 HSが士気チェック(MC)に失敗すると混乱状態になる(8.1.5)が、完全分隊は混乱状態にならないようだ。

 

 他国に比べると降伏したり逃亡する兵士が格段に少なかった日本軍の特徴をよく現している。

 

8.1.4 損耗

 理由を問わず、損耗の結果はすべての日本軍兵士に、通常通り適用される。

 

8.1.5 半個分隊

 すべての日本軍半個分隊(HS)は通常通り混乱する。

 

 HSしか混乱状態にはならないということだ。

 

8.1.6 操作班

 損耗ではなく士気チェック(MC)に失敗、またはKIAの結果により混乱状態になった日本軍操作班は、以下のいずれかの戦力減少(8.1.2)を受ける。


 ●完全戦力操作班(2-2-8)は戦力減少面(1-2-8)に裏返す。
 ●戦力半減操作班(1-2-8)は混乱状態戦力半減操作班(1-2-7)に置き換える。

 

 操作班も分隊同様に混乱状態にならない。

 

8.1.7 指揮官

 日本軍指揮官は混乱状態面がなく、他国とは異なる階級構造を持つ。
 階級構造は、上から10-2, 10-1, 10-0, 9-1, 9-0, 8-0, 8-1である。
 日本軍指揮官は竹林(Bamboo)に入ったとき、または倒壊した小屋(8.2.1)に入ったときだけ釘付け状態になる。

 隠蔽状態や初期隠匿配置を取り去る以外、PTCは適用しない。
 MCに失敗した日本軍指揮官またはKIAの結果、混乱状態になった場合、代わりに負傷する(既に負傷していても)。
 もしその指揮官が重傷drに成功した場合、その指揮官は裏返し負傷面にする。(すでに負傷していない限り); もしその指揮官がELRを超えてMCに失敗した場合、その指揮官は置き換えの対象とならない。
 MCのDRが12を出した指揮官は除去される。
 日本軍指揮官は、指揮官と同じ場所にいる日本軍MMCすべての士気値を1上げる。
 日本軍指揮官によって回復を試みられる日本軍歩兵ユニットはDM状態を無視される。

 そして、回復フェイズに日本軍指揮官は、同一場所にいる混乱状態ユニット全てについて回復を試みなければいけない。
 もし日本軍指揮官が日本軍MMCの回復に失敗した場合、そのMMCの回復は一段低いユニットに置き換えられる。
 もし既に最低ランクになっていた場合、そのMMCはユニット置き換えの代わりに損耗する。
 日本軍MMCは指揮官誕生できない(5.3)。

 

 日本軍指揮官の指揮能力修正は低い。

 これは何でだろう。射撃士気能力が低いということだろうか。

 また、釘付け状態になかなかならない。士気チェックに失敗しても混乱状態にならず負傷するのは、先頭に立って前進するからだろうか。

 スタックしている他分隊の士気を1上昇させたり、DM状態にさせなかったりするのも、日本軍の特徴をよく表現していると思う。

 日本軍MMCから指揮官が誕生しないのは少し納得いかない。

 

8.1.8 雑則

8.1.8.1 Ambush: 待ち伏せ

 統制状態のエリート、第一線級日本軍歩兵(操作班と指揮官を含む)は、それらがバンザイ突撃(8.1.8.8)の一部である場合を除き、待ち伏せdrmに-1を適用する。

 

 日本軍が白兵戦で強い状況を再現しているルールだ。

 

8.1.8.2 MMG/HMG/ATR

 日本軍分隊/半個分隊(HS)が使用する日本軍MMG/HMG/ATRなどの支援火器は、故障ナンバー(B#)と複数ROFが1下がる。

 

 このルールは私にはよく理解できないルールだ。

 日本軍が自国の支援火器を使う時に故障ナンバーとROF(射撃頻度)が下がる理由は何だろう?

 他国の軍隊に比べてバリバリ撃ちすぎるのか?

 

8.1.8.3 士気

 日本軍は対AFV攻撃前判定チェック(PAATC)から免除される。

 統制状態の日本軍は指揮官喪失士気チェック(LLMC)(3.2.3)を指揮官喪失判定チェック(LLTC)として扱う。

 

 日本軍の対戦車戦闘が歩兵による突撃だったので、このルールも日本軍の特徴を現していると思う。

 

8.1.8.4 CC: 白兵戦

 少なくとも1個の日本軍歩兵ユニットが白兵戦や混戦状態で攻撃側の場合、または白兵戦で待ち伏せに成功した場合、その白兵戦や混戦状態は、自動的に格闘戦(Hand-to-Hand)になる(格闘戦が継続する)。

 そして、通常の白兵戦表の代わりに、格闘戦戦闘表を使用する。そのような日本軍ユニットが不意打ちされた場合や釘付け状態になった場合、通常の白兵戦表を使用する。
 攻撃を行う日本軍歩兵ユニットが釘付け状態でない限り、格闘戦を行う日本軍歩兵ユニットは特別に-1DRMを適用する。
 AFVよる格闘戦、またはAFVに対する格闘戦は許可されていないが、戦力低下の日本軍ユニットは全戦力の白兵戦値(CCV)を保持する。

 

 白兵戦に格闘戦(Hand-to-Hand)という種類が登場した。

 

8.1.8.5 HIP: 初期隠匿配置

 砲の初期隠匿配置(HIP)(6.4)に加えて、日本軍プレイヤーは10%以下(端数切り上げ)の、開豁地を除くあらゆる地形タイプにいる、日本軍初期配置戦闘序列(OB)の分隊(およびそれらとスタックされたSMC/SW)に相当するものは、HIP(6.4と8.3.3)を使用できる。
 砲をHIP歩兵と読み換えて、6.4および8.3.3に従って、HIPは、失われる。

 

 太平洋の戦場で、日本軍がどこにいるかわからない状況をうまく表現するルールだと思う。

 

8.1.8.6 BANZAI:バンザイ突撃

 日本軍指揮官はバンザイ突撃を宣言できる。複数のヘクスにいる歩兵ユニットは、同じバンザイ突撃の一部として参加している他のユニットに隣接している限り、同じバンザイ突撃の一部として参加できる。

 

いよいよ日本軍独特のバンザイ突撃だ。

 

 バンザイ突撃に参加するすべてのユニットは、統制状態でなければならず、移動が制限されてなく、そのMphにまだ移動していない必要がある。バンザイ突撃に参加して連鎖して移動するユニットの中に含まれる少なくとも1ユニットは、敵軍ユニット(目標)から8ヘクス以内にいて、LOSが通っていなければならない。

 

バンザイ突撃開始時の条件だ。


 バンザイ突撃中のユニットはそのターン中、士気値が1増え、隠蔽(8.3)を失い、バンザイ突撃に参加している間、(竹林(Bamboo)に入るか、倒壊した小屋[8.2.1]を経由していない限り)釘付け状態(Pin)の結果を免除される。
バンザイ突撃するユニットのMFは8(負傷したリーダーのMFは3である)であり、これを増やすことはできない。
突撃移動を行えない、また、そのIPCを上回る運搬はできないが、敵軍ユニットのいる地点に進入することはできる。

 

突撃移動を行えないとは、突撃フェイズ(APh)の移動禁止ということだろう。

 

 バンザイ突撃するユニットは即座にインパルス移動を使って目標に向かって移動しなければならない。インパルス移動においては、バンザイ突撃する各ユニットは1ヘクス移動しなければならない。そのユニットの移動は一時的に停止され、次のバンザイ突撃ユニットは1ヘクス移動することができる。移動はバンザイ突撃するユニットが交互におこない、すべてのユニットがそのインパルスのために1ヘクス移動するまでおこなう。そして、それぞれの移動ごとに、バンザイ突撃するユニットに対して、防御臨機射撃(Defensive First Fire) (だけ)が発生する可能性がある。バンザイ突撃する各ユニットはそのインパルスにおいて1ユニットが消費する最大MFを消費したものとみなされる。バンザイ突撃は、バンザイ突撃に参加している全ユニットがバンザイ突撃で移動できなくなるまで、新たなインパルスで継続する。

 

インパルス移動とは、ユニットAが1移動力使用する、ユニットBが1移動力使用する・・・というようにユニット毎に1移動力使用して移動していき、それぞれに対して臨機射撃をする、ということだろう。通常の移動より一層、同時性が再現される。

 

 バンザイ突撃するユニットは、他のバンザイ突撃するユニットが既にそのヘクスを占有していない限り、目標ヘクスに進入しなければならない。

そうでない場合、バンザイ突撃する各ユニットは、次のように移動しなければならない。
 目標ヘクスに(ヘクスで数えて)近づく。
 目標ヘクスから(ヘクスで数えて)遠くない敵軍ユニットが占有しているヘクスに進入する。
 目標ヘクスに隣接する。

バンザイ突撃するユニットは前のインパルスで退出したヘクスに進入することはできない。
目標ヘクスに隣接しているバンザイ突撃ユニットは、隣接する敵軍占有しているヘクスが空でない限り、(次のインパルスの前に)その突撃を任意で終了することができる。

 

最後の文はenemy-occupied hex is devoid of Banzai unitsの訳だが、訳には自信がない。

 

バンザイ突撃ユニットは、
 除去されるか、
 混乱状態にされるか、
 MFを失うか、
 インパルスの開始時において敵軍ユニットと同じヘクスにいるか、
 バンザイ突撃ルールに従って移動することができなくなるか、
 または目標ヘクスに隣接している状態で任意にチャージを終了するまで、
バンザイ突撃の一部であり続ける。

敵軍ユニットがいるヘクスに進入した場合、そのMPh内ではそれ以上移動することができず、敵軍ユニットがいるヘクスにいる間は前進することができない。
バンザイ突撃は、バンザイ突撃するユニットがなくなった時点で終了する。

 

8.1.8.7 TPBF:3倍近接射撃

 バンザイ突撃したMMCユニットが、統制状態の敵軍歩兵ユニットがいるヘクスに進入する場合、防御を行うユニット はすべて、進入してきたユニットに対して、緊急防御射撃(FPF)の状況でも、3倍近接射撃(TPBF)を使用している1つのFGとして防御臨機射撃をしなければならない。バンザイ突撃ユニットは、ヘクス内の敵軍ユニットに対してAFPhに3倍近接射撃(TPBF)を使用できる。そして、友軍射撃は、地域射撃タイプ(ATT)を使用していない限り、ヘクス内にいる混戦状態以外の友軍ユニットに影響しない。バンザイ突撃したユニットは、自らがいるヘクスに敵軍ユニットが存在している場合、その外には射撃できない。

 

8.1.8.8 Banzai Ambush: 初期隠匿配置

 不意打ちは、他の友軍ユニットがバンザイ突撃ユニットと敵軍ユニットが存在 するヘクスに前進した場合以外は、通常通り行う。他の友軍ユニットがバンザイ突撃ユニットと敵軍ユニットが存在 するヘクスに前進した場合、そのバンザイ突撃ユニットは 不意打ちの判定において未経験(5.4)とみなされる。

 

 バンザイ突撃と通常の突撃が混在した場合は、不意打ちの判定で未経験になる、とのことだが、これは逆な気がする。バンザイ突撃に気を取られていて、通常のこっそり突撃してきた敵から不意打ちを食うのではないだろうか