Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

シミュレーションゲームマガジン タクテクス TACTICS 第3号(1982/5/1)

 TACTICS 第3号(1982/5/1)を読んでみた。特集は「SFゲーム総覧」。

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TACTICS 第3号 表紙

この号を買ったときには、正直がっかりした。なぜなら読みたいページが少なかったからだ。当時は、SFゲームに興味がなく、SFゲーム自体を持っていなかったからだ。これはビジネスとして、シミュレーションゲーム雑誌を発行することの難しさを示している。

 つまり、次のようなことになるのだ。

 シミュレーションゲームがブームになる。

 =>メーカーは多数のゲームを発売する。ゲーマーの興味が多様化する。

 =>1冊の中に含められるゲームの数が相対的に減る。読者の持っているゲーム、興味あるゲームの記事数が相対的に減る。

 =>読者が持っていないゲームや読者の興味が無い号を買わない。

 =>雑誌の特集に当たりはずれが出る。

 =>読者が読みたい号だけ買う。読まない号をきっかけにして雑誌から離れる。

 =>雑誌の売上が安定しない、または売上低下につながる。

 私はゲームの買い手であって売り手側ではないが、売り手側の編集者さんたちは、きっとこの悩みと戦っているのだろう、と思う。

 

もくじはこちら

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TACTICS 第3号 もくじ

 『<SPI>スターフォースにおける戦略・戦術』ルールブック[40.0]ゲームノートより レイモンドAサイモンセン 高橋一郎/訳

このゲームは3次元空間を2次元マップ上で表現している。友人が持っていて、何度かプレイしたが、そのおかげで、三平方の定理は得意になった。

 

 ハインラインの<AH>『宇宙の戦士』任務シナリオ』ジェネラル誌第15巻第1号より アーノルド・ヘンドリック 高橋昌也/訳

この小説は好きなSF小説のひとつだが、当時はこのゲームをほとんど理解できていなかった。機会があれば再チャレンジしてみたいゲームの一つだ。

 

 『冒険のシミュレーション シミュレーションの冒険ーアドベンチャーロールプレイング・ゲームとはー』ゲームデザイン アル・シダーク 解説:高梨俊一

 当時、まだ日本にはほとんど入ってきていなかった、アドベンチャーロールプレイング・ゲームの紹介記事だ。Dangeons & DragonsやTravellerやDragon QuestRune Queestなどの紹介記事と、『ドンキーコマンド』という付録ロールプレイング・ゲームがついていた。うまいゲームマスターの友人がいたらはまったかもしれないが、残念ながら私は、はまらなかった。

ちなみに下記リンク先に『ドンキーコマンド』について詳しい記事が載っている。

日本初のRPG? ドンキーコマンドをやるの - 顔面ソニーレイなの!

『文学部ゲームブック科』+道化の真実雑記帳 「ドンキーコマンド」

ちなみにTravellerの歴史についてはこちらのリンクにうまくまとまった記事がある。

トラベラー40年史(1) 黄金の時代(~1987年) - 宇宙の歩き方

トラベラー40年史(2) 反乱と苦難の時代(1987年~1993年) - 宇宙の歩き方

トラベラー40年史(3) 新時代、そして暗黒時代へ…(1993~1997年) - 宇宙の歩き方

トラベラー40年史(4) 夜明けの時代(1998年~2007年) - 宇宙の歩き方

トラベラー40年史(5) 古典復興の時代(2008年~2015年) - 宇宙の歩き方

トラベラー40年史(6) 三者並立の時代(2016年~) - 宇宙の歩き方

 

 『チトーはここに生きている!-チトーパルチザンの戦いーデザイナー自身によるデザイン及び作戦分析』ディック・ラスティン 野津義臣/訳 ムーヴズ誌52号より

 このゲームは見たこともやったこともない。だが、今この記事を読んでみると、複雑なユーゴスラビアという国情とゲームシステムがマッチしたすごいゲームだなぁ、と思う。勝利条件によってゲームバランスはとっているようだが、どうやら最後は、史実通り枢軸軍がユーゴを占領し続けるのは難しいようだが、ゲームシステムが異色なゲームのようだ。

 

 『コンピュータ・シミュレーションゲームの実際 タンクティクス』吉本聖志

 コンピュータ・ゲームとボードゲームの両方を使ったゲーム。当時のPCの能力は限界があったため、両方のいいとこどりを狙ったゲームだ。機械語とBASICの両方を使っていて、ATARI,APPLE-II、PET2001、TSR-80用の4種類のプログラムがついていたのが興味深い。当然ながら国産メーカーへの移植はされていないとのこと。

 

 『内外ゲーム パットン第3軍』

 このゲームは、当時のゲームが5800円や6800円だったのに対し、4200円だったので、買った記憶がある。だが、今一つ印象にない。今、この記事を読んでみると、”情報の不確実性"や装甲部隊や砲兵の特殊性など、なかなか面白いシステムのゲームだったようだ。"情報の不確実性"は、戦うまで戦力がわからず、戦うときにチットを引いて戦力がわかる、というルール。

 

 『内外ゲーム 戦艦ビスマルクの戦い』

 この紹介記事を読んで、このゲームへの期待が膨らみ、小遣いためて買ったのを覚えている。