Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

シミュレーションゲームマガジン タクテクス TACTICS 第18号(1984/11/1)

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TACTICS 第18号 表紙

TACTICS第18号(1984/11/1)を読んでみた。創刊3周年記念特大号だ。

表紙は、『トラベラー』(Traveller)。特集は表紙と同じ『トラベラー』(Traveller)。なんと122ページ中の56ページを占める!!

付録ゲームは『サレルノ攻防戦』(A Dangerous Beach-Head)。カラーマップと42個のカラーユニットだ。当時、カラー・コピーは1枚100円だっただろうか。しっかり本誌を折り曲げると綴じたところが開いてしまうのでイヤだったがゲームをするために、泣く泣く開いて、失敗しないように、カラー・コピーをとった記憶がある。

 

もくじは次のとおり。

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TACTICS 第18号 もくじ

安田均氏によるロール・プレイング・ゲームの紹介や小宮山康宏氏「トラベラーをアドベンチャーする」という紹介記事や高梨俊一氏による「トラベラー実践レフリー講座」、野木信隆氏による「レフリーとは何か」など盛りだくさんだ。「出国ビザ」という短いシナリオもついている。

「いろいろなチェックで、レフリーはずいぶん沢山サイコロを振るなぁ~」と思ったものだ。

記事中で一番いいなぁ、と思ったのが、『トラベラー』(Traveller)に登場するホロノン型ATV(全地形用車両<オール・テレイン・ビークル>)をフルスクラッチで作成し、戦闘シーンを再現しているところだった。ミニチュア・ウォー・ゲームもいいものだと思った。

連載の「<AH>創立25周年記念 アバロンヒル物語」は最終回。当時、始まったばかりのマイクロ・コンピュータ部門の紹介。印刷部門や生産ラインやジェネラル誌のタイプや予約購読の登録、通信販売部門など、表に出てこないが、会社を支えてきた人達について、書いている。皆が揃っていたからこそ、当時、私達ゲーマーはアバロンヒル社のゲームを楽しめたのだ。ここに載っている人達はもう引退したり、故人になっているだろうが心から感謝したい。

1984年から2021年までの、この後の37年間のアバロンヒル物語を読んでみたい。

「内外ゲームガイド」には、西部戦線シリーズ『猛将パットン』(Patton's 3rd Army)、『オペレーション・グレネード』(Operation Grenade)、『シシリー上陸作戦』(Sicily: The Race for Messina)の紹介記事。

記事中では、SPIの史実性を重視する基本的態度について、解説している。「プレイヤー・・・相手方プレイヤーもさることながら、ゲームの中に存在する史実と戦わねばならず・・・ドイツ軍ユニットが6個しか残っておらず、マップの4分の3以上をアメリカ軍が占拠しているにもかかわらず、結果はドイツ軍の実質的勝利に終る」ことがある。「史実に対する成功度が勝利条件」になっているためである。

戦争はスポーツとちがって平等な状態で開始することはない。そのため、一般のゲームと違い、戦争をシミュレートするシミュレーション・ゲームでは、ルールや勝利条件の設定で勝敗を決めるものだ。私は個人的には、歴史の追体験を重視する立場なので、SPIの「史実に対する成功度が勝利条件」になっているのは妥当だと思うが、ゲーム性を重視する立場の人には納得いかないだろう。最近はやりの言葉でいうと「多様性」があっていいので、ゲームの楽しみ方も多様であっていいと思う。

後ろの方には「『猛将パットン』(Patton's 3rd Army)で、ユニットの色に間違いがあり、米軍とドイツ軍で逆の色になっているものがあり、交換する」というお詫び記事がある。先日オークションで買った『猛将パットン』(Patton's 3rd Army)のユニットを確認しないと・・・。

連載の「大陸軍その光と影」はいよいよワーテルローの戦いに向かって盛り上がってきている。

「地中海作戦とイタリア海軍」もマルタをめぐる戦いだ。あまり地中海をめぐる戦いは詳しくなかったが、読んでいると、独ソ戦を始めないで地中海の戦いにあと少し戦力を投入していたら、英国を破ることができたように思う。

巻末には、13号から18号までの索引がついている。毎年索引がついているが、これはとてもいい。