Haruichiban0707のウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開したウォーゲーマーのノート。

目からウロコのユニークな魚雷ルール(もりつち『ソロモン夜襲戦(Ver 4.0)』)

 もりつち 『ソロモン夜襲戦(Ver 4.0)』の魚雷の進み方のルールはかなりユニークである。

ユニークだが、これまでの魚雷ルールの問題点を解決した画期的なルールだと思う。

コロンブスの卵というか、目からウロコが落ちた、というか、ともかく、とても感動した!!

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 これまで水上戦で魚雷を扱ったゲームでは、「発射と同時に命中判定を行う方式」と「魚雷が航走して命中判定を行う方式」の2種類がある。『ソロモン夜襲戦(Ver 4.0)』は後者である。この方式の問題点が魚雷の動きがヘクスの並びによって制限されてしまい、魚雷が命中しにくいことである。

 従来は、ヘクスサイド方向の場合、下の写真の赤い線。ヘクス頂点方向にも魚雷が進めるとしても、緑色の線。赤と緑を含めてもわずか三方向だった。そのため距離は短いのに魚雷命中判定のサイコロを振るチャンスがない、魚雷空白地帯が多数あった。例えば下の写真の黄色い円の場所には魚雷が航走しない、つまり命中可能性がゼロだった。ここでは1カ所しか黄色い円で囲まなかったが、黄色い円のヘクスが多数あることはおわかりだろう。

 「魚雷発射準備!目標右60度!」や「右90度」「右120度」は目標にできたが、「目標右75度」や「目標右83度」はできなかったのだ。

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従来の魚雷航走コースの問題点



 『ソロモン夜襲戦(Ver 4.0)』では、下の写真の黄色い線でも魚雷が命中する可能性がある。そこが画期的なのだ!

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黄色い線でも魚雷が命中するのが『ソロモン夜襲戦 Ver 4.0』の画期的な魚雷ルール

 この問題をどうやって解決しているかというと、次の2点のルールだけである。

 1)魚雷は常にヘクスの頂点方向に向ける

 2)移動の際にはヘクスの頂点方向の正面に隣接する2つのヘクスのうち、どちらか好きな方に移動する。

 これだけで従来の魚雷ルールの問題点が解決するのだ!まさに目からウロコだった。

 

 このルールのおかげで、上の写真の黄色い線上の目標に対しても、下の写真のようなコースで魚雷命中の可能性が出てくる。

 

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魚雷航走コース

 「魚雷発射準備!ともかく右90度」、命中判定に入ったら、「もとい!さっきの命令は魚雷発射準備!右75度」だったことに時間を遡って訂正したとでも思えばいい。

 

もっともこのルールのせいで、目標艦が移動せず射程が長い場合、後から魚雷の軌跡をたどると、下の写真のような「ホーミング魚雷か?」というようなコースになるような笑える可能性もあるにはある。だが、こうして後から軌跡をたどることは、ゲームをプレイしている最中には絶対にありえない。このゲームの場合、1ターンに3フェイズの移動ができて、1フェイズあたり多くて2移動力消費なので、ヒトの記憶力では軌跡を描けっこない。

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ホーミング魚雷!?

 

 実際の魚雷と艦の動きのイメージが下のとおり。艦速はどちらも5。魚雷は10。

一番左が第1ターンの魚雷発射フェイズ。左から2番目が第2ターン第1移動フェイズ。3番目が第2ターン第2移動フェイズ。4番目が第3移動フェイズ。5番目が第3ターン第1移動フェイズ。6番目が第2移動フェイズ。一番右が第3移動フェイズで魚雷命中。

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10ヘクス先への魚雷と艦の動きのイメージ

艦の動きと魚雷の動きは下の写真のとおり。

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艦の動きと魚雷の軌跡

  従来型だとあまりにも多かった、魚雷命中の可能性がゼロの魚雷空白地帯が、このルールだとほぼなくなる。だから、このルールの方がずっと優れていると、私は思う。

 

 ホーミング魚雷の軌跡に見えるけど、目の錯覚で本当は黄色い線上を魚雷は航走したのだ、と思い込めばいい。それに艦船と魚雷は同時移動なので、この写真のように軌跡を追うことはないし、プレイ中には感じられない。

 

 このゲームのデザイナーのもりつちさんは、ルール・ブック中でたくさん「デザイン・ノート」を記載している。ルール・ブックのラストにも「デザイナーズ・ノート」で、ゲーム・デザイン中の葛藤やルール採用理由を惜しげなくネタばらししている。

 それを読むのもとても面白い。

 水上戦ゲームに興味ある方におすすめのゲームである。

 

改訂履歴:2021/10/12 タイトル前半が他のタイトルとかぶるため改題