Haruichiban0707のウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開したウォーゲーマーのノート。

『長篠・設楽原合戦』作戦研究

 国際通信社のウォー・ゲーム日本史第7号『長篠・設楽原合戦』は短時間に手軽にできるゲームだ。

【1】移動に関する分析

 移動制限がかなりあるのでなかなか作戦を立てにくい。

まず、各エリアに名前がついていないので、名前をつけた。

日本史ものらしく、いろはで、左から縦にエリア名をつけた。(本当は右からにすべきだったなぁ。あと「る」を忘れたことに気づいた。)

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長篠・設楽原合戦地図

カードによる移動ボーナスを考えずに一体どのくらいのターンで長篠城まで到達できるか計算してみた。逆に言うといつまで長篠城が落城しないで持てばいいのか、ということになる。

  開始時 1ターン 2ターン 3ターン 4ターン 5ターン 6ターン 7ターン
徳川軍 小金ヶ原 長篠城
             
    長篠城
             
    天王山 長篠城
               
    鳶ヶ巣山 長篠城
織田軍 茶臼山 天王山 長篠城
               
    茶臼山 長篠城
           
    茶臼山 鳶ヶ巣山 長篠城
               

徳川軍が到着するまで最短で5ターンだから、長篠城には5ターンまでは落城しないでもってもらわないと連合軍の作戦が成立しなくなる。

 

史実通りに鳶ヶ巣山を奇襲するには徳川軍は4ターン、織田軍は6ターンかかってしまうので、このゲームでは織田・徳川連合軍で鳶ヶ巣山を奇襲することは事実上無理だ。

 

武田軍が長篠城を包囲すると、第1ターンは5ユニット。第2ターンは10ユニット。第3ターンは15ユニットになる。

士気0になって落城するまでの期待値を計算すると次のようになる。

戦力 長篠-1修正後戦力 ユニット数 第1ターン 第2ターン 第3ターン 第4ターン 第5ターン
3 2 1 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3
2 1 4 0.7 0.7 0.7 0.7 0.7
2 1 5 0.8 0.8 0.8 0.8
2 1 3 0.5 0.5 0.5
1 0 1 0 0 0
ターン別期待値合計 1 1.8 2.3 2.3 2.3
期待値累計 1 2.8 5.1 7.4 9.7

第1ターンに戦力2の4部隊と勝頼自身を長篠城に進撃させた場合、勝頼が長篠城による-1修正後の戦力2以下の目を出す確率は1/3。その他の戦力2の4部隊が1以下の目を出す確率は1/6+1/6+1/6+1/6=4/6=2/3。合わせて1。

第2ターンは、戦力2の5部隊が長篠城に到達するので、期待値は1.8。1ターン2ターンで合わせて長篠城の士気低下期待値は2.8。こうして考えると、長篠城の士気9を上回るのは、確率的には第6ターンになる。長篠城の士気はカードで決まり、0から4まであるので、連合軍にとっての最悪の4だと第3ターンには落城してしまう。

 

と書いたが、ルール10.1 二個目の・に「連合軍に与えられる損害は1回の戦闘で、最大1。1を上回る損害は無視される」とある。

このルールの見落としのため、本当は期待値が1以上だとしても下がる士気は最大1。

その場合、最長で9ターンで落城となる。

鳥居強右衛門カードを使うことで1ターン短くしても8ターン。

10.3長篠城の包囲ルールを活用するとしたら、3エリアに兵力を配置するため3ターン目から活用するとしたら、第1,2ターンに士気が1下がり、第3ターン以後士気が2ずつ下がるとして長篠城落城の士気が4だとしたら第4ターンに落城となる。

 

 連合軍は武田軍が全力で長篠城を攻撃するとしたら、最早で第3ターン第4ターン最遅でも第6ターンには落城すると計算しておいた方がいい。それを防ぐために徳川軍を急がせても長篠城エリアに1グループが入れるのは第5ターン。1グループだけだと武田軍との戦いが不利になることを計算に入れておかないといけない。

と書いたが、ルール10.1 二個目の・に「連合軍に与えられる損害は1回の戦闘で、最大1。1を上回る損害は無視される」とある。このルールの見落としのため、最早で第4ターンに落城する可能性がある。

 

【2】カードに関する分析

次にカードを分析してみる。

徳川軍、武田軍初期カード6枚、雨カード1枚を除くと、残り23枚について分析してみる。このうち1枚は長篠城の士気となりプレイ中は利用できない。

まず、連合軍視点で見ると、23枚中14枚は移動に関するもので合計すると24グループが移動できたり全ユニット移動も1枚ある。ただ、織田軍だけだったり徳川軍だけだったりしてカードの使い道はあまりよくない。

連合軍カード分類 枚数 移動グループ数 全ユニット移動 連合軍戦力 徳川軍戦力 長篠城士気 武田軍戦力
連合軍が利用できないカード 4 - - - - - -
馬防柵 3 - - - - - -1
展開1 4 6 - - - - -
展開2 4 9 - - - - -
早駆け 2 4 - - - - -
攻勢 3 3 1 - - - -
三河武士の意地 1 2 - - +1 - -
鳥居強右衛門の叫び 1 - - - - +1 -
鉄砲の威力 1 - - +2 - - -
合計 23 24 1 - - - -

 

武田軍のカードは、長篠城士気カードをはじめ使えないカードが7枚もある。移動に関するものは12枚あり、19グループ、連合軍と隣接エリアにいる全ユニット移動1枚となっている。織田軍よりは移動させやすいだろう。

武田軍カード分類 枚数 移動グループ数 隣接エリア全ユニット移動 武田軍戦力 織田軍戦力 長篠城士気
武田軍が利用できないカード 7 - - - - -
早駆け 3 6 - - - -
攻勢 1 3 - - - -
突撃 1 2 - +1 - -
善戦 2 - - +2 - -
乱戦 1 2 - - - -
騎馬武者の活躍 4 4 - - - -
鳥居強右衛門の叫び 1 - - - - -1
勇猛、武田勢 1 2 - +1 - -
戦上手、勝頼 1 - 1 +1 - -
本願寺勢の暴発 1 - - - -5 -
合計 23 19 1 - - -

 

織田軍本拠地の茶臼山から想定戦場が遠いし地形的に移動しにくいので大軍の織田軍を集結させるのが難しい。カード運もあるのでこのゲームで連合軍を指揮して闘うのは難しいと思う。

他の人のAARを見てもっと研究してみたい。

 

【更新履歴】

2021/11/26 タイトルの誤字修正。自作地図を右から記号をつけるべきだったことと「る」が抜けていること補足。鳶ヶ巣山奇襲について補足。

2021/12/01 ルール10.1 二個目の・のルール見落としとのご指摘を受けて赤文字で記載追記