Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

【参考書籍】『歴史群像』No.171(2022/2)を読んでみた

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歴史群像』No.171(2022/2)の表紙

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歴史群像』No.171(2022/2)のもくじ

 

 

歴史群像 2022年2月号 |本 | 通販 | Amazon

 

第一特集は「検証 日本海軍航空隊」、第二特集は「検証 八甲田山雪中行軍遭難事件」

第一特集の「検証 日本海軍航空隊」は、海軍航空隊の歴史を16ページにわたってまとめている。昭和16年12月1日と昭和20年8月1日の海軍航空隊編成表が載っている。艦戦や艦爆と数だけでなく、零戦なのか流星なのかどの機材だったのかまで載ってたら嬉しかった。また実際にはパイロットや爆撃手などの人材がどのくらいいたのかも見たかった。自分で調べればいいのだろうけど・・・。

 

第二特集の「検証 八甲田山雪中行軍遭難事件」は、同事件について図や写真を含めて16ページにまとめている。この事件は明治35年(1902)に、歩兵第五聯隊第二大隊参加者210人中199人が死亡した事件だ。ということは今年(2022年)はちょうど120年だ。この事件では歩兵第三十一聯隊とよく比較される。こちらは現地の嚮導を使っていたそうだ。中には女性嚮導もいたとは驚きだ。本論ではリーダーシップの違いが原因だった、と結論している。

 

p2. 「秘蔵写真でたどる牟田口廉也の生涯」は誌上では4ページですが、今年、筆者の関口高史氏の本が上梓されるそうだ。

 

p.6 「戦艦『アイオワ』探訪記」は、写真が豊富でいい。新型コロナが落ち着いたら行ってみたい。

 

p.14「日の丸の轍 天皇・皇后の移動用乗用車 御料自動車」は、毎回連載を楽しみにしている。天皇・皇后が外出する際の行列を「鹵簿(ろぼ)」と言うそうだ。字からは想像もつかない。

 

p.18 「【摂津】高槻城」は、この城の重要性、キリシタン大名高山右近、右近以後の同城についても触れていて面白い。

 

p.24 「蒼空の記憶 フェアリー・バトル」も、毎回連載を楽しみにしている。機名の「バトル」が「戦い・闘争」の意味ではなく、イングランドイースサセックスに所在する都市の名称だった、とは知らなかった。また、イギリス機としてドイツ機初撃墜したのが本機だったのも知らなかった。

 

p.82 新連載は「根っこからわかる!日本史の基礎講座」。第1回は「官職と位階の話」だ。官職と位階は、日本史の基本だと思うが、よくわかっていないことなので、理解が進んだ。次回以後も楽しみだ。

 

p.90 「ヴィシー・フランス海軍の戦い」が今号では一番面白いと思った。敗戦すると昨日までの味方だったイギリスが、フランス海軍が枢軸軍の手に渡るのを防ぐために襲いかかる。国際社会の厳しさがよくわかる。ドイツ軍に艦艇を渡さないためにトゥーロンで自沈したフランス海軍の矜恃には感動した。

 

p.105 新連載の「”鎌倉殿"の古戦場を歩く 第一回 石橋山合戦」は上空から見た写真や地上から見た写真、それに地図満載でわかりやすかった。ここも行ってみたいと思った。

 

p.132 「交易の時代」を生きた傭兵隊長 山田仁左衛門尉長政

この記事は、アユタヤで王にまでなった山田長政の史伝だ。彼がなぜタイに行ったのかはよくわかっていない。ただこの記事を読んで、当時の東南アジアや中国やポルトガル・スペインとの貿易が複雑でダイナミックなものだったことがわかった。

昔、アユタヤに行ったことがある。日本からの観光客がバスでドッと押し寄せてきていた。私も含めて日本人は当時の社会状況や山田長政について何も知識を持たず、あるいは、持っていてもとおりいっぺんの知識で、現地を訪ねていたのだと思うともっといろいろ勉強しないといけないなぁ、と思った。

 

p.142 「第二次ハリコフ攻防戦 「力量の差」によって潰えたソ連軍の攻勢」

戦闘序列や豊富な戦況図が入っており、わかりやすい。この戦いをテーマにした独ソ戦のシミュレーション・ゲームをプレイしてみたい、と思った。

 

p.152「 聯合艦隊参謀長 宇垣纏 "鉄仮面"の素顔と八月十五日の”私戦”」は、彼のキャリアや『戦藻録』執筆についてよくわかった。残念なのは黒島亀人が『戦藻録』の第六巻を借用し紛失したということだろう。本当は故意に処分したのだろう。残っていたらどんな事実が判明したのだろう。