もりつちさんの書籍紹介記事を読んだ。
映画『グリーンブック』(Green Book)や『ドリーム』(Hidden Figures)を見ると、1960年代のアメリカ黒人の置かれていた状況がよくわかる。1930年代、1940年代のアジア人の置かれた状況も、この映画に描かれたのと、ほぼ同じ状況だったと思う。
第一次世界大戦後、アメリカは民族自決を宣言し、日本は人種差別撤廃案を出したが、否決された。タテマエは人種平等と言っててもホンネは根強い差別があったのだ。
1924年には、白人以外の移民を排斥する法律をアメリカは制定している。
第二次世界大戦、大東亜戦争前のアメリカは、けっして自由平等の国家ではないし、当時の世界は白人がその他の民族を差別するのが当たり前の世界だった。そんな中で生きていた日本人が対米英戦を望んだのは自然だったのではないだろうか。
アフリカ諸国の独立が1960年。
アメリカの黒人が公民権を得たのは1964年。
アジア諸国の独立は1940年代。第二次世界大戦の勝者アメリカの黒人達より、アジア諸国の独立が早かったのは、最終的に負けたとはいえ日本軍が宗主国として威張ってた白人に勝利した、という現実を見せたからだろう。
歴史を見るとき、どうしても現代人の感覚で見てしまう。また当たり前の事は記録に残りにくい。
当時の当たり前の状況を読み取って、当時の人達の感じ方や考え方に触れることが歴史を学ぶことだと思う。