Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

シミュレーションゲームマガジン タクテクス TACTICS 第71号(1989/10/1)


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タクテクス』(TACTICS)第71号(1989/10/1)を読んでみた。

特集は「大西部戦線1944」

 

折込ゲームは<TSR/SPI>の『独第5装甲軍の突破』(Clervaux)

表紙は、タンクバスターのパッケージ用に描かれたもので、マウス、パンターF、スターリンIII。イラストは上田信氏だ。

 

目次は次の通り


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p.4 西部戦線1944 西部戦線の流れとゲームたち 瀬戸利春

ノルマンディー上陸作戦からドイツ降伏までの戦況図とそれをテーマにしたゲームたちをうまくまとめて、とてもわかりやすく説明している。

 

p.13 ムーズを渡れ!! 深井零

TAC069『アルデンヌをこえて』(Race to the Meuse)のリプレイ記事。

ゲームマップの戦況図、連合軍、ドイツ軍のコメントがあり、とてもわかりやすいリプレイ記事だ。こういうリプレイ記事を目指したいものだ。

 

p.18 将軍への道 駆虎人II号

EPC『史上最大の作戦』のゲーム紹介と作戦研究記事

とても丁寧でわかりやすい記事だ。

個人的にはこのゲームはビッグゲームの範疇に入るので手出ししないつもりだったが、この記事を読むとプレイしたくなる。

 

p.23 小さな大君主(オーヴァーロード)ー"D-DAY<翔企画>"での連合軍戦力 園田漢空 大平英樹

翔企画のSSシリーズ、『D-DAY』の戦力分析記事とデザイナーの大平秀樹氏のコメント記事だ。

私も分析したが、これとは違う数字の出し方をしており興味深い。

haruichiban0707.hatenablog.com

 

p.30 バルジの戦いにおける米独両軍師団の戦闘力評価 ”ラストギャンブル”の戦力基準 ダニー・S・パーカー

HJ『ラスト・ギャンブル』(The Last Gamble)のデザイナーであるDanny S.Parker氏による戦力算定根拠の解説だ。ユニットの攻撃力や防御力の数字をどう算定したかが詳細に語られている。

「緻密で凄い!」という感想しかない。ただ士気や練度の判定はなかなか難しいと思った。

同じ事を日本軍でやったらどうなるのだろう、と思った。きっと火力は低いのだろうなぁ。

 

p.34 英語でできる西部戦線ゲーム

その1 たまにはこんなノルマンディー <TSR/SPI>コブラ 桜井真一

もともとは上陸作戦を含まないコブラ作戦だけのゲームだったらしいが、TSR版では上陸作戦も含めたそうだ。読んでいるとプレイしたくなった。

 

その2 これがボカージュの戦いだ! <VG>オマハ・ビーチヘッド 池田智洋

1ヘクス1km。高度レベルを1から10までに塗り分けた独特のマップ。1ユニットは大隊。重装備をアセットとして表現している。オペレーションシステムという独特なシステム。読んでいるとプレイしてみたくなる。

 

その3 西部戦線キャンペーンゲーム 園田漢空

<VG>France 1944 <SPI>ONSLAUGHT <WE>Against the Reich

いずれもプレイしたくなる紹介記事だ。

 

p.70 内乱~裏切りの世紀・南北朝戦乱史 第1回謀反の狼煙 八幡摂州

正中の乱、後醍醐天皇の誕生と皇太子になるまで。

南北朝動乱は複雑な戦乱であまりよくわからないので、こういう記事はありがたい。

 

p.76 戦国時代の戦略と戦術 軍事的に見た戦国史 第14回信玄上洛(1)福田誠

今回は、武田信玄の上洛前の状況をわかりやすく解説している。楽しみな連載だ。

 

p.78 第二次欧州大戦概説史 戸島毅

バルト諸国とスカンジナビア諸国とドイツとソ連の駆け引き。いつの時代もどの地域でも大国の隣の小国は苦労していると思った。

 

p.82 ゲーム千一夜 第4回 ライバルたちーその2 和久尊

SDC(シミュレーション・デザイン・コーポレーション)やGDW社が登場する。SDCは知らない会社だったが、あの『戦闘指揮官』(Squad Leader)をデザインしたジョン・ヒルがデザインした作品をいくつか出版しているそうだ。

 

p.85 古今東西珍本閑談 その10 我等の航空母艦 黒澤慶助

昭和18年(1943年)3月に発行された本だそうだ。巻末に各国空母一覧があり、レキシントンにゃヨークタウンに×印がついているのは太平洋戦争開始後の情報が反映されている。サラトガエンタープライズにも×なのは・・・?ではあるが。一方、日本海軍の空母には一つも×印がないそうだ。戦時中らしい。

次期空母の姿は戦艦並みの砲撃力と空母の甲板が描かれている。戦艦信濃を空母に改装するときにこうすればよかったのに。

 

p.100 Dのアメリカ・オリジンズ見聞録

この頃すでにアメリカでもヒストリカル・シミュレーション・ウォー・ゲームのブームが下火になっていたことが伝わってくる。新作はAHからASLモジュール2作(『The Last Hurrah』『Hollow Legions』)と『Turning Point Stalingrad』と『MBT』。3W『Hitler's last Gamble』などだ。写真の雰囲気ではミニチュアやカードゲームやRPGが増えているようだ。

 

p.112 メタル・オン・メタルミニチュア

1/2400の艦船の精密さに驚いた。