Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

巧みなドイツ軍 MMP『ASL Starter Kit #1』「Retaking Vierville」バトル・レポート(AAR)第3弾



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Advanced Squad Leader Starter Kit #1(ASLSK1)の最初のシナリオであるS1「Retaking Vierville」をVASSALで対戦プレイしてみた。

私がウォーゲーム復帰にあたり大変お世話になったA氏が、ドイツ軍担当だ。私はアメリカ軍を担当した。

直訳すると、「ヴィエルヴィル奪回」「ヴィエルヴィルの反撃」と言ったところか。

 

勝利条件は、5ターンに、N5,N6,M4,L3の建物に、 統制状態(Good Order)のドイツ軍がいなければ、 アメリカ軍の勝利だ。

 

地図盤yを使用する。

 

シナリオ和訳はこちら

 

果たして、どうなるだろうか?

目次

  1. ■初期配置
  2. ■第1ターン(1944/06/07)
  3. ■第2ターン
  4. ■第3ターン
  5. ■第4ターン
  6. ■第5ターン(最終ターン)
  7. ■勝利条件の確認
  8. ■感想

■初期配置

なお、本ブログでは、地図は、原則として北を上にしているが、本シナリオのVASSALの画面では右が北、上が西、左が南、下が東になっている。

米軍はN3,N4,M5,L3の4ヘクスに1個分隊ずつ配置する。

 



独軍は第1ターンに東西から6個分隊、第2ターン、第3ターンに東端からそれぞれ3個分隊、2個分隊が進入する。

米軍の増援は第1ターンに3個分隊、第2ターンに2個分隊、第3ターンに3個分隊が北端から進入する。

 

■第1ターン(1944/06/07)

●ドイツ軍プレイヤーターン

独軍移動フェイズ終了時

ドイツ軍は下の図のように登場した。アメリカ軍の臨機射撃はいずれもDR9(2個サイコロを振り9の目が出たことを表す)で効果なしだった。

ドイツ軍はO10(下の図で赤く囲んだ分隊)に1個分隊登場した。これはアメリカ軍にとっては嫌な位置にいる分隊だ。


赤い道路を通って南下したい増援部隊も

青い道を通って南下したい増援部隊も

どちらもLOS(照準線)が通り、南下を防止する射撃ができるからだ。

 

ドイツ軍の前進射撃でアメリカ軍半個分隊が混乱状態になった。

アメリカ軍プレイヤーターン

アメリカ軍分隊が登場したが、早速O10の部隊が臨機射撃をした。

この分隊に対する臨機射撃の結果は何もなかったが、これ以上前進すると、下の写真の青い分隊の遠距離射撃の射程内に入るので、いったん、T5の建物に入った。

遠距離射撃なので、火力が半分になるので、構わず前進するか、煙幕手榴弾を展張するか、して、時間を得るとよかったと思う。

 

アメリカ軍プレイヤーターン終了時の状況が下だ。

今回、果樹園の移動コストをよく確認しなかったため、R7の分隊による前進射撃の機会がなかった。その時によく確認しなかった私がよくない。

後から考えると、赤いマルで囲んだM6に移動した指揮官と1個分隊は、青いマルで囲んだM4に移動しておくべきだった。M4とM6は道路で遮断されており、この道路を通して互いに行き来するのが困難だからだ。

 

■第2ターン

●ドイツ軍プレイヤーターン

ドイツ軍はアメリカ軍のLOSが通らない地点を通り、西に回り込む。

アメリカ軍プレイヤーターン

アメリカ軍の準備射撃はことごとく効果が無かった。

逆にドイツ軍の臨機射撃でR5とS5で釘付け状態(PIN)になったのは痛かった。

この道を通り越してQ6の建物にまで到達していたら、戦況は大きく変わったはずだ。

■第3ターン

●ドイツ軍プレイヤーターン

ドイツ軍の準備射撃は全て効果なし。

ドイツ軍は西(下の写真では上)に兵力を集める。

アメリカ軍の防御射撃で、Q10(黄緑色で囲んだ木造建物)のドイツ軍が全滅した。

これでアメリカ軍は自由に増援を送れると一安心だ。

しかし、ドイツ軍の執拗な射撃で、ついにM4(赤いマルで囲んだ建物)のアメリカ軍1個分隊が混乱状態になった。勝利条件の一つの、青いマルで囲んだL3の建物にドイツ軍が侵入した。Aさんの動きで「巧みだなぁ」と思ったのが灰色のマルで囲んだL2の分隊だ。理由は後述する。

アメリカ軍プレイヤーターン

アメリカ軍としては、一刻も早く、M4の分隊を掩護するために、N5に進みたいのだが、L3から臨機射撃を受ける。

早くM4へ増援を送りたい私が焦ってN4(赤いマル)に進んだところ、臨機射撃を受けて、1個分隊が壊滅した!!

ドイツ軍の防御射撃で、M4(赤いマル)の1個分隊も混乱状態になってしまった。

次のターンにドイツ軍にM4を占領されるのは確実だ。4ヘクス中1ヘクスの占領で勝利条件を満たすドイツ軍なのに、2ヘクス奪還しないといけないのはアメリカ軍にとっては荷が重い。

■第4ターン

●ドイツ軍プレイヤーターン

ドイツ軍は、勝利条件をすでに満たしているので、今の状態を守ることが重要だ。ほとんど移動しない。


アメリカ軍プレイヤーターン

アメリカ軍はL3, M4を奪還するために、N4(赤いマル)に煙幕手榴弾を展張する。

2個分隊が混乱状態になってしまい、生き残った1個分隊も釘付け状態(PIN)になってしまった。

また後方からN4に突進した分隊に対する臨機射撃でピンゾロ!N4で壊滅した!!

 

あと1ターンで、2ヘクスをアメリカ軍が奪還できる見込みはほぼなくなった。

実戦だったら、これ以上の損害を避けて、アメリカ軍は部隊の立て直しをはかるところだろう。

プロの将棋なら、投了の場面だろう。

しかし、ここはヘッポコウォーゲーマーの私なので、最後まであがいてみることにする。

 

■第5ターン(最終ターン)

●ドイツ軍プレイヤーターン

Aさんは道路上である、赤いマルで囲んだM3,N3,N4に、部隊を配置した。

巧みな手だと思った。これでアメリカ軍の勝機はゼロになった。勝利条件ヘクスである青いマルで囲んだL3、M4に、どんなに移動力を使っても到達できないからだ。

アメリカ軍プレイヤーターン

アメリカ軍の勝利がないのはわかっているが、最後の最後まであがいてみた。

次の写真が最終局面だ。

 

■勝利条件の確認

 

勝利条件ヘクスL3,M4にドイツ軍の統制状態ユニットがいるのでドイツ軍の勝利だ。

 

■感想

このシナリオはアメリカ軍が内線の利を活かせ、ドイツ軍が外線になるから、うまくドイツ軍を分断できるはずだと思っていた。

しかし、ドイツ軍によって、逆にアメリカ軍が分断されてしまった。

アメリカ軍は移動の際にもっと煙幕手榴弾を展張すればよかったと思う。

また道にこだわらず麦畑などを利用して接近し大火力を活かして戦えばよかった。

 

予想外のLOS(照準線)が通ったり、逆に通らなかったりして、このシナリオの地図盤はよくできている。

ドイツ軍は下の写真の上下(東西)どのヘクスからも登場できる。今回、赤いマルの地点を抑えられてアメリカ軍が分断された。アメリカ軍は緑の地点を奪えば有利に戦えるように思える。P1については、孤立したヘクスなので、ここで混乱状態になってしまうと厳しい状況になるが、ここを奪うとかなり有利だと思う。

 

下のブログの記事を先に読んでいたらよかった・・・。

yuishika.hatenablog.com

 

ドイツ軍の登場するヘクスによって、アメリカ軍の対応も変わってくるので、展開のバリエーションが増える面白いシナリオだと思う。

 

『ASL Starter Kit』からASL本体に進むのがいいと思った。しばらく『ASL Starter Kit』のシナリオを楽しもうと思う。