Advanced Squad Leader Starter Kit #1(ASLSK1)のシナリオ、S3「SIMPLE EQUATION」で、下の投稿をした時、こーちゃさん(bojptapp)から、コメントをいただいた。
ちょうどコメントいただいたころ、A氏とVASSALでこのシナリオをプレイしていたのだが、A氏がP1にHMGを配置し、それに苦しめられていたところだった。
こーちゃさんありがとうございます。
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今回、私は、アメリカ軍を、A氏がドイツ軍を担当した。
以前のバトル・レポート(AAR)
haruichiban0707.hatenablog.com
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シナリオ和訳はこちら
haruichiban0707.hatenablog.com
直訳すると、「簡単な方程式」と言ったところだ。
勝利条件は、7ターンのアメリカ軍プレイヤーターン終了までに、地図盤Zの建物ヘクスをアメリカ軍が25個以上、占領すると、その時点でアメリカ軍の勝利にとなる。
地図盤yのA-P列、zのR列からGG列を使用する。
果たして、この戦いは、どうなるだろうか?
目次
■初期配置
ドイツ軍は、yP1にHMGと4-4-7分隊を配置していた。
yP1にHMGがあると、図の右側(南側)から中央まで多数の照準線(LOS)を通せるので、ここにあるとアメリカ軍は困る。
アメリカ軍の私は、中央からアメリカ軍の物量に任せて攻め込む戦術を考えた。南側(地図右側)から中央を支援し、北側(地図左側)は、ドイツ軍の北にいる部隊を牽制しようと思った。
果たしてどうなるか?
■第1ターン(1944/10/12)
●アメリカ軍プレイヤーターン
早速、yP1のHMGの射撃でアメリカ軍3個分隊が釘付け状態になった。
前進したいアメリカ軍としては、釘付けで進めないのも大きな損失だ。
●ドイツ軍プレイヤーターン
ドイツ軍は、青四角形で囲んだyI2, yJ1, yK2から早くも後退を始めた。後退したところをアメリカ軍は右から射撃してドイツ軍を混乱状態にした。
こんなにあっさり、この拠点を捨てるとは思わなかった。ここで分隊を犠牲にしてでも2ターンくらい持たせるのかと思ったが意外だった。
ドイツ軍は、yI2, yJ1, yK2から完全に撤退した。しかし、yP1にはHMGが健在でにらみを効かせている。
■第2ターン
●アメリカ軍プレイヤーターン
アメリカ軍はyP1に3ヶ所から射撃を浴びせるが、釘付け状態にするのが精一杯だった。
yp1のHMGを無力化しないと、前進できないので、4カ所から射撃できるようにした。
だが、そうしている間に、A氏のドイツ軍は、次の防衛線を作ってしまった。
●ドイツ軍プレイヤーターン
ようやく、yP1のドイツ軍を混乱状態にした。混乱したドイツ軍は、zR1の建物に潰走した。これで、ようやく、前進できる。
yP1は孤立したヘクスだから、このように集中射撃を浴びて、混乱状態になると、かなり危険な場所だ。潰走する時に阻止に合う可能性が高いからだ。
早くも、A氏は得意のスカルキング戦術を駆使する。
下の図の青い○で囲んだ分隊がその動きだ。準備射撃フェイズにはこの位置にいる。
このまま準備射撃をすると、防御射撃フェイズにyC3のアメリカ軍の射撃を受ける。
そこで準備射撃をしないのだ。
移動フェイズに敵軍の射撃を受けない地点に後退する。
突撃フェイズに突撃してまた同じ場所に戻ってくるのだ。
こうすることで、アメリカ軍プレイヤーターン中、アメリカ軍は準備射撃でドイツ軍を混乱させない限り、ドイツ軍はアメリカ軍に防御射撃を浴びせることができるのだ。
A氏も自分で考えたわけではないそうだが、その時、この動きをスカルキングと言われたそうだ。理由はよくわからないらしい。
将棋の千日手みたいで嫌な動きだが、ルール通りなので仕方ない。
■第3ターン
●アメリカ軍プレイヤーターン
アメリカ軍は、地図盤zに入ろうとして前進した。
煙幕手榴弾は4発連続で展張に失敗し、9-2指揮官や9-1指揮官が混乱状態に陥り、2個分隊がKIAで壊滅した。
この日のアメリカ軍最悪のターンだ!!
それでも、yI2, yJ1, yK2の石造建物に、ようやく、とりつくことができた。
●ドイツ軍プレイヤーターン
ドイツ軍は、2個分隊が混乱状態になっただけの、ほぼ無傷で、地図盤zに防衛線を引いた。
アメリカ軍としては、どこから攻めたらいいかわからない。
■第4ターン
●アメリカ軍プレイヤーターン
ここで私が考えた戦術は、地図盤右翼(南側)はyP1の建物まで進出し、中央を支援する。中央は、強引だが、とにかく前進する。
アメリカ軍プレイヤーターン終了時が下の図だ。
yP1を狙った部隊は、40m(1ヘクス)手前で釘付け状態になった。
その他の部隊も何とか前進したが、混乱状態になり、潰走した。地図盤左は、ドイツ軍のスカルキング戦術のために何もできず膠着状態だ。
●ドイツ軍プレイヤーターン
ドイツ軍がここで動いた。一度捨てた拠点yP1に再度進入しようというのだ。
だが、これは無謀だった。yJ3からの射撃で、アメリカ軍が出した初のKIAで、1個分隊が除去された。
ドイツ軍は防衛線を巧みに築いた。
■第5ターン
●アメリカ軍プレイヤーターン
アメリカ軍がようやく地図盤yから地図盤zに半ヘクスだけ侵入した。あと2ターンで25個の建物を占領しないといけない。私の心は焦っていた。
アメリカ軍プレイヤーターン終了時
zX2(MELEEユニットが置いてあるヘクス)の白兵戦は、不意打ち成功したのに、4-3-6の未熟兵相手に、混戦状態になってしまった。
左翼は、スカルキング戦術で完全に手詰まりだ。
●ドイツ軍プレイヤーターン
ドイツ軍のA氏は、現在の防衛線から引き、次の防衛拠点に移動する。
このタイミングが巧みだ。
私は、左側(北側)の2個分隊が移動してくれたのはありがたかった。スカルキング戦術を打開する策がなかったからだ。
移動した2個分隊(下の図の青い四角形で囲んだ分隊)を動かさずに、濃い青い線で防衛線を築かれたら、私はもっと苦しかったと思う。
A氏のことだから、下手くそな私に合わせて、わざと動かしたのかもしれない。
昔、校内で一番将棋やオセロが強い友人達が、「実力差があっても、一手違いで勝つようにする。なぜなら圧倒的に勝つと、やる気を失い、相手はもういやだ、と言って、指さなくなるからだ。」と言っていた。
A氏もそう思って、この2部隊を動かしたのだろう。
■第6ターン
●アメリカ軍プレイヤーターン
まだ建物5個しか占領していない。あと20個を、2プレイヤーターンで占領しないといけない。私は、中央と右側(南)からの突破と、建物の占領と、左側(北)も前進して建物の数を増やして勝利条件の達成を狙う。
しかし、zZ5にいる分隊とLMGが重要な位置にいる。ここに部隊がいると前進できない。
左側(北)は、予定通り建物にとりつくことができた。中央も右側(南)もかなり危険な状況だが、考えたとおり建物を占領した。
部隊が生き残ったのは運だといっていい。
zR3に突撃し白兵戦を挑む。zX2の混戦状態のヘクスには援軍を送り込む。
これで17ヘクスを占領した。勝利まであと8ヘクスの占領だ。
●ドイツ軍プレイヤーターン
一時、zZ5から部隊を引き揚げたA氏だった。私は心の中で「しめた!」と思った。しかし、すぐに考え直したのか、また戻ってきた。
いよいよ次のアメリカ軍プレイヤーターンが最終ターンだ。
あと8ヘクス占領できるだろうか?
■第7ターン(最終ターン)
●アメリカ軍プレイヤーターン
下の赤丸の5ヘクスは簡単に占領できるだろう。あと3ヘクスをどこを狙い、どう動かすか?
私は大雑把に下の図のような作戦を考えた。zZ5が図の横にも縦にも射撃できるので大きな脅威だ。
幸いなのは1個分隊とLMGだけの合計7火力である点だけだ。
アメリカ軍前進射撃フェイズ終了時の状況
中央から左に向かった部隊は釘付け状態や混乱状態で進めなくなった。
中央右よりのzU6を狙った部隊も混乱状態になり、U5の道路を越えることができなかった。右端の部隊はかろうじて道路を突破し7-0指揮官に迫っている。
23個占領し、残り2個だ。
突撃フェイズに下の図のように2部隊が移動し建物2ヘクスを占領し、アメリカ軍の勝利だった。
■勝利条件の確認
勝利条件の建物ヘクスをアメリカ軍が25個占領したのでアメリカ軍の勝利だ。
■感想
両軍の損害は次の図の通りで、両軍とも3個分隊が壊滅した。ドイツ軍は4人中2人の指揮官を失った。
第4ターンになっても地図盤zにとりつけないでいたので、勝利は無理だと思い投了を考えた。私がドイツ軍を担当した時とどうしてこうも違うのだろう、と思った。
今回、一応、勝利条件は満たしたが、正直、勝った気がしない。ドイツ軍を包囲したり壊滅させたりできず、うまく逃げられたからだ。
そのあたりのA氏の駒さばきはとても上手い。
戦線を作り、本格的な攻撃の前にすばやく後退し、アメリカ軍が移動する前に、様々な角度のLOSを確保しておく。
ドイツ軍プレイヤーは、ヒットアンドアウェイの形でうまく戦線を後退させるのがいいのだろう。
巧みな防衛戦術だ。このタイミングを捉えるのは、言うは易く、プレイで実践するのは難しい。
私は明らかに一歩遅れる。そのため、混乱状態になったり損耗したりして、第二の防衛線を張れなくなる。
A氏は、早い。優勢なうちに一撃を加えて、パッと急速歩移動を使って後退する。
私の場合、一撃を加えたらつい調子に乗って前進してしまうからいけない。
A氏の後退の仕方を身につけたいものだ。
それにしてもスカルキング戦術には何かうまい対策はないのだろうか?
この地図盤は、意外なところにLOSが通過したり、通過すると思ったLOSが通らなかったりする。十字砲火がどこから来るかわからないスリルがある。それだけ一手一手に集中しないといけないので精神的にかなり厳しいシナリオだ。
こーちゃ (id:bojptapp) さんにいただいた次のコメントの戦術も試してみたい。
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ちなみに私の場合、yP1の石造建物に8-1、HMG、4-3-6を入れて、さらにyL0とyN0の森にも4-4-7を1分隊ずつ入れ、南側の開豁地をキルゾーンにします。また、ここに入れておくとyK2の石造建物が陥落しても横から射撃できます。総じてyI1やyK2の石造建物が陥落しても後ろから撃てるようにマップ境目の森に1分隊ずつを配置しておきます。
ただ、火炎放射器、怖いです・・・。
そうそう、yP1にHMGがいると、意外な所にLOSが通ったりします。
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