Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

『ASL Starter Kit #4』太平洋戦線ルールメモその2 地形編

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Advanced Squad Leader Starter Kit #4(ASLSK4)ではいよいよ日本軍が登場する。

ASLSK4の日本語訳は、A grove of ASLにも見当たらなかったので、自分で訳してみて、ルールをまとめてみた。

war.game.coocan.jp

ASLSK4の8.0 Pacific Theaterのうち8.2 PTO Terrainの部分をまとめたものだ。

訳については、保証しない。

誤訳や解釈の違いがあるかもしれないので、原文をよく読んでプレイしてほしい。

 目次

8.2 太平洋戦線の地形

太平洋戦線の地形は、シナリオ特別ルール(SSR)で指定された場合のみ、有効となる。
もし、シナリオで太平洋戦線の地形が指定された場合、以下のルールが適用される:
 ●すべての林がジャングル(Jungle)になる:
 ●すべての繁みが竹林(Bamboo)になる:
 ●すべての果樹園がヤシ林(Palm Trees)になる:
 ●1へクス内に2個以上の別々の木造建物があり、別な建物の一部でない場合、小屋(Huts)になる:
 ●すべての麦畑はクナイ(Kunai)になり、そして:
 ●道路は存在しない(すべての林道は小道になり、それらのへクスにある開豁地は存在しないものとする)

 

密生ジャングル(Dense jungle)(8.2.1)、クナイ、または竹林へクスにいるユニットは、もし他のユニットが密生ジャングル(Dense jungle)(8.2.1)、クナイ、または竹林へクスにいるユニットと複数へクス射撃グループを構成することはできない。
ジャングル、クナイ、竹林へクスで回復しようとするユニットは、+2 drmを受け取る。
ジャングル、クナイ、竹林へクスでの不意打ち(3.8)は、その地形が林と同様の効果を適用する。
しかし、攻撃側ユニットまたはスタックがそのへクスにいる場合、不意打ちdrに+1drmを加えなければならない。

 

 

 クナイとは何だろう?

A Grove of ASLのG章の訳では、「東南アジア、およびそれに類した地域で見られる、背の高い(150~200cm)雑草のこと」であり、「しばしばジャングル内の“開拓地”で見受けられ、その他の平坦な地形を広く覆っている時もある。その葉は大変鋭く、切り傷の原因ともなった。」とある。

 

http://war.game.coocan.jp/ASL/download/G%E7%AB%A02022B.pdf

 

8.2.1 地形タイプ

ジャングル

太平洋戦線の地形では、すべての林はジャングル(例:mAA2)になり、他に指定されていない限り、密生ジャングル(Dense jungle)とみなす。
すべてのジャングルは、開始時にほかの指定がない場合、林(1.1.1)とみなす。
密生ジャングル(Dense jungle)は、+2 TEM(または迫撃砲による歩兵攻撃の時やCE車両に対しては-1TEM)で、道路/建物を含まない密生ジャングルでは、歩兵スタッキング制限は1へクスに2MMC分隊相当(それに加えて通常のSMCの制限)となる。
密生ジャングルは全域地形であり、へクスサイドもLOS障害となる。
通常の林に入る際の移動コストを適用する。
全装軌型車両が密生ジャングルへクスに侵入したり車両射界(VCA)を変更したりする場合、ボグチェックの際、+2DRMを適用しなければならない。装甲車は進入できない。
密生ジャングルへクス内から外へ迫撃砲は射撃できない。

ガダルカナル戦を描いた戦記物を読むと密生ジャングル内の移動の困難さがよく書かれていた。「林と同じ移動コストでは実際には動けないだろう」と思ったら、A Grove of ASLのG章の注釈に、「密生ジャングルを通過する困難を“リアルに”表すなら、各密生ジャングルヘクスへの進入には全力移動(小道の移動には 2MF)が必要とすべきだろう。しかし、控え目に言っても、この MFコストを使用したシナリオは酷くつまらないものになるであろう」とある。「そんなわけで、単にプレイのしやすさのためだけに、林の MF コストがそのままになっているのである。」とある。

これは納得だ。

また、密生ジャングルヘクスから迫撃砲による射撃ができないことについても、「密生ジャングルの隙間なく生い茂った枝葉による天蓋は、数枚の葉に砲弾が接触しただけでも爆発を誘発したため、その下にある砲の間接射撃能力を阻害した。」とあり、これも納得のルールだ。

 

 

竹林

太平洋戦線の地形では、すべての茂みは竹林(例:nT4)になり、他に指定されていない限り、密生ジャングル(Dense jungle)とみなす。
竹林内にいる混乱状態ユニットは-1の回復DRMが適用されず、竹林への潰走の必要はない。
竹林は通常+1のTEMを持つ。
しかし、そのTEMは、爆薬(DC)やHE攻撃対非装甲目標については、-1となる。
-1TEMを適用する(空中炸裂のような)竹林への攻撃では、IFTで1列分増加する。
竹林ヘクスに進入するための歩兵ユニットのMFは全移動コストとなる(指揮官による移動ボーナス[3.3.1]も含めて)。
全ての防御射撃の後、竹林に進入した非混乱状態ユニットは、CXとPinカウンターを置く。
防御臨機射撃(Defensive Fires Fire)のために、ユニットはMF+1を支払ったものとみなす。
もし既にCXカウンターが乗っている場合、そのユニットは突撃フェイズ(APh)に、竹林ヘクスに突撃することはできない。
もし突撃フェイズ(APh)に竹林に突撃した場合、そのユニットはCXカウンターを乗せる。
ユニットは竹林ヘクスに匍匐後退できる。
砲は竹林内にHIP(6.4)できるが、設置状態(Emplaced)にできない。
非車載砲は、その射界を変更できず、同じプレイヤーターンに射撃できない。
砲は、竹林の中へ人力移動(6.5)できない。

 

ヤシ林


太平洋戦線の地形では、すべての果樹園はヤシ林(例:oX2)になる。
他に指定されていない場合、果樹園(Orchard)とみなす。

ただしヤシ林は全ての季節にわたって繁っているものとする。

 

クナイ


太平洋戦線の地形では、すべての麦畑はクナイ(例:oQ3)になる。
他に指定がない限り、クナイは繁み(brush)とみなす。

 

小屋


太平洋戦線の地形では、ほかの建物の一部でなく、1ヘクス内に2個以上の分割されている全ての木造建物は、小屋とみなす(例:oY5)。
他に指定がない限り、小屋は木造建物(1.1.1)(倒壊していない限り)で、同一ヘクス内の全ての小屋は、ルール上、一つの小屋とみなす。
小屋は、そのヘクス内の建物2ヘクス以上をLOSが通ったとしても、落葉期の果樹園のように、1レベルの+1 LOS妨害だけである。
小屋はLOS障害物にはけっしてならない。
小屋は+1TEMを持つ。しかしHEAT弾は小屋内の歩兵に対して使用できない。
小屋からの射撃には後方噴射の罰則は適用しない。
AFVは、BU状態かつ非帰還(Recall)状態の場合、2MP(全装軌型車両)または4MP(装甲車)のコストで小屋に進入できる。
そのようにして進入するときBogチェックを引き起こさない、そして、防御臨機射撃の前に自動的にその小屋は倒壊する。
AFVは小屋の中に初期配置できる。しかし、AFVが存在したり小屋ヘクス内で射界を変更した場合、その小屋はすぐに倒壊する。
小屋内のユニットに対してKIAの結果が出ると、その小屋はすぐに倒壊する。
もし、小屋が倒壊したら、倒壊小屋(Collapsed Hut)カウンターを、小屋ヘクスに置く。
倒壊小屋はTEMがなく、建物を通る通常レベル(つまり1レベルではない)のLOS妨害となる。しかし、そのヘクスに進入するには2MF/MP(装甲車は4MPの上、Bogチェックが必要)必要で、勝利条件の目的では、小屋/建物とみなす。
小屋内の歩兵ユニットは、小屋が倒壊した瞬間、PTC(指揮能力修正は適用不可)を行わなければいけない。しかしながら、個々のユニットはこのPTCについてのみ士気レベル8とみなす。
PTCに失敗したユニットは、通常は釘付けにならない場合でも、釘付け状態になる(釘付け状態になった混乱状態ユニットは潰走できない)。

 

小道


太平洋戦線の地形では、林やジャングルヘクス内のすべての道路は小道となる。
小道経由でジャングルヘクスに入る場合、1MFとなり、それ以外の影響はない。

 

太平洋戦線をテーマにした場合、飛行場や洞窟や珊瑚礁や水田などの地形も必要だと思うが、プレイのしやすさを考えたら、このくらいでいいと思う。

 

次は8.3 Concealment 隠蔽ルールだ。