Advanced Squad Leader Starter Kit #1(ASLSK1)のシナリオ、S6「RELEASED FROM THE EAST」をソロ・プレイしてみた。
シナリオ和訳はこちら
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直訳すると、「東方からの解放」と言ったところだ。
モスクワに迫るドイツ中央軍集団に対して、シベリアから到着した第9親衛狙撃兵師団が反撃する。
勝利条件は、6ターンのソ連軍プレイヤーターン終了時に、R2,L6,D3の建物のうち少なくとも2個をソ連軍が支配することだ。
果たして、この戦いは、どうなるだろうか?
目次
■初期配置
黄色い「Level2」マーカーを置いた建物が勝利条件の建物だ。
ドイツ軍は、3個の建物に均等に兵力を配置してみた。D3の建物に配置する部隊のうち、9-2指揮官とMMGは、I列の道路と西のQ4に向かう道路に機銃弾の雨を降らせるために、I4に配置した。
■第1ターン(1941/12/11)
●ソ連軍プレイヤーターン
ソ連軍はR2の建物とL6の建物の間に入り分断を図るチームと、L6の建物を攻撃するチームに分けて前進する。
J8で、ドイツ軍の臨機射撃はピンゾロ!ソ連軍8-1指揮官と1個分隊が混乱状態になった。
●ドイツ軍プレイヤーターン
中央のL6の建物の部隊が左右から射撃を受けて苦しくなる。
ここで戦って一部でもソ連軍に損害を与えるか、一旦、退いて戦うか判断に迷うところだ。
M7の部隊は、O8を射撃し、1MCの結果だ。9-1指揮官とMMGを所有する1個分隊が混乱状態になった。
M7にいるドイツ軍8-1指揮官が混乱状態になった。独ソともに指揮官が混乱状態になり分隊がならないことが多い。
ソ連軍はL6の建物は占領できそうな状況だ。
そして、それによって、D3を守る部隊とR1を守る部隊に分断するための楔を打ち込める。
第3ターンに登場する戦術予備部隊をどちらに投入するかで2個目の建物の占領が決まる。
ドイツ軍は、3個の建物に均等に兵力を配置したが、早くもL6の建物は陥落しそうだ。
一兵でも多く逃がしたいところだ。
■第2ターン
●ソ連軍プレイヤーターン
両軍とも指揮官が回復に失敗した。両軍とも指揮官が情けない。
ソ連軍がL6の建物に3つに分かれて突入する。M7でソ連軍1個分隊が混乱状態になった。
ソ連軍がK7,K6と移動する。ドイツ軍の臨機射撃は凄まじかったが、ソ連軍は士気を落とさず前進する。
「ハルハ河戦争(日本名:ノモンハン事件)の時の日本軍に比べれば大したことないゼ。同志諸君!前進だぁ~~」分隊長が部下に叫ぶ。
部下たちも「確かにそうだ。」と自分達を納得させながら前進する。
だが、後年、部下のうちの一人バカノフスキーは「ありゃぁ、嘘だ。日本軍陣地からは、銃弾は散発的だったが、ドイツ野郎からは雨のように飛んできた。」と振り返っている。
M6で、ソ連軍の仕掛けた爆薬が爆発した。ドイツ軍2個分隊が混乱状態に陥った。
ドイツ軍は潰走してM5の建物に逃げ込んだ。
ソ連軍はL5に突撃し、白兵戦を挑んだ。白兵戦は混戦状態になった。
ドイツ軍でM5に逃げた8-1指揮官と2個分隊が回復した。
ソ連軍もO8で回復した。K9では8-1指揮官だけ回復し2個分隊は混乱状態のままだ。
F5で故障していたドイツ軍LMGは完全にオシャカになった。
ドイツ軍はM5からL5の白兵戦に増援で入る。
ドイツ軍はソ連軍を潰滅させた。ソ連軍の反撃は空振りに終わった。
ドイツ軍がかろうじてL6の建物を守り切った。
ソ連軍にとっては確実に獲ったと思った建物を占領し損ない計算が違ってきた。
この時の白兵戦で生き残ったソ連軍バカノフスキーは、後年、「ハルハ河戦争での日本軍は銃剣による勇ましい者だったが、この時のドイツ軍の白兵戦は、正確で雨のように飛んでくる銃弾と、あの妙ちきりんな棒がついた手榴弾が、もの凄かった。」と語っている。
●ドイツ軍プレイヤーターン
ソ連軍は全部隊が回復した。
準備射撃でI4にあるドイツ軍MMGが故障した!
ソ連軍はL6の建物を獲るために再度攻撃を考えないといけない。
爆薬がなくなった上、L5に潜まれると攻撃しにくい。
J8からの射撃は果樹園によるLOS妨害が+2の修正になる。K9からはLOSが通らない。O5,O6まで進まないとLOSが通らない。そのため、L列を前進する建物占領部隊を周囲から掩護しにくい。
ドイツ軍はL6の建物を確保して一安心だ。
L5に潜んでいれば、ソ連軍の攻撃をかわしながら建物を維持できるので、このままでいきたい。
■第3ターン
●ソ連軍プレイヤーターン
I4にあるドイツ軍MMGは回復しない。
ソ連軍はL6の建物奪取に向けて全力で前進する。
I列を前進した4-5-8分隊はI4からの射撃を受けて潰滅した。
O6に移動したソ連軍9-1指揮官が戦死した。
ドイツ軍は9個分隊全てが健在だ。
L6の建物ではドイツ軍がL5に追い詰められている。
●ドイツ軍プレイヤーターン
I4のドイツ軍MMGが完全に故障してしまった。
この火力が無くなるのはドイツ軍にとっては大きい痛手だ。ソ連軍にとってはチャンスだ。
M6でソ連軍1個分隊が混乱状態になり1個分隊が釘付け状態になり、1個分隊が生き残った。
L5のドイツ軍2個分隊が混乱状態に陥った。このままでは潰滅する。
L5の混乱状態に陥ったドイツ軍2個分隊が潰走不能により潰滅した。
ドイツ軍はL5から脱出したかったが、釘付け状態のため動けない。
ドイツ軍は2個分隊を失い、残りは7個分隊だ。ソ連軍は11個分隊が健在だ。
ドイツ軍の頼みのの綱だったMMGがなくなり、R1の建物とD3の建物に分断されてしまった。
L5でどれだけしぶとく粘って時間稼ぎをできるかもカギだ。
ソ連軍は、ここから、東西どちらかの建物を占領すれば勝利だ。あと3回の攻撃で占領できるか、時間との闘いだ。
西のR1の建物は建物が少ないので接近しやすいが、臨機射撃の犠牲が増えそうだ。ドイツ軍指揮官が8-0なので、その点でも攻めやすい。
東のD3の建物は周囲に建物が多いので、自軍の損害は少なそうだが、接近に時間がかかる。ドイツ軍指揮官が9-2と優秀なのも問題だ。
■第4ターン
●ソ連軍プレイヤーターン
L5で、ドイツ軍8-1指揮官がELRを超えたので8-0指揮官になってしまった。4-5-8分隊は激しいソ連軍の射撃に無事生き延びた。
R3ドイツ軍1個分隊が混乱状態になった。
L5にいたドイツ軍8-0指揮官が逃亡して行方不明になった。
L5で白兵戦だ。
L5の白兵戦は、ソ連軍が3個分隊でドイツ軍1個分隊を攻撃したが、混戦状態になった。
ドイツ軍としては、ここで1ターンでも長く時間稼ぎできるとソ連軍の勝利条件を妨げることになるので嬉しい。
●ドイツ軍プレイヤーターン
ドイツ軍は、ソ連軍からの射撃を防ぐ位置に移動する。
そして突撃フェイズに前進する。
いわゆる「スカルキング戦術」だ。
L5の混戦状態の白兵戦で、ソ連軍1個分隊とドイツ軍1個分隊がついに潰滅した。
L6の建物をソ連軍が完全占領した。
■第5ターン
●ソ連軍プレイヤーターン
あと2回の攻撃で、ソ連軍は建物を占領しないといけない。
R2とD3のどちらが獲りやすいか?
R2の方は開豁地に囲まれていので、接近する際に被害が出やすい。D3は建物に囲まれているので接近し難い。
D3はドイツ軍分隊が離れている。R3はドイツ軍が集中している。
ソ連軍はR2の建物に主力を向けることとした。
ソ連軍はQ3に突進する。16火力の臨機射撃は2MCだが、ダイスは3で助かった!
ソ連軍がR3に突進する。16火力の臨機射撃のダイスは11で効果なしだ!!
ソ連軍はS3のドイツ軍8-0指揮官に白兵戦を挑む。
白兵戦でドイツ軍8-0指揮官が戦死した。
R2の建物にはドイツ軍が3個分隊いるが、ソ連軍5個分隊に包囲されてしまった。
東にいるドイツ軍が救援に向かおうと思ってもソ連軍2個分隊が阻止できる態勢だ。
●ドイツ軍プレイヤーターン
K5でソ連軍4-5-8が損耗を被り2-4-8になった。
ソ連軍はR2を36火力で防御射撃する。結果は、なんと4MCだ。2個分隊がELR超により4-6-7になり混乱状態に、1個分隊は何とか生き延びた。
ドイツ軍は、R2の建物で時間稼ぎをするべくスカルキング戦術を使いR1へ移動するべきだった。
残存戦力は、ドイツ軍は6個分隊だが、そのうち2個分隊が混乱状態だから、健在なのは4個分隊だ。
ソ連軍は9個分隊だが、そのうち3個分隊が混乱状態なので、健在なのは6個分隊だ。
■第6ターン(最終ターン)
●ソ連軍プレイヤーターン
いよいよ最終ターンだ。このターンのソ連軍プレイヤーターン終了時で勝負が決まる。
R1で最後の白兵戦だ。
ここでソ連軍がドイツ軍を潰滅させると、ソ連軍の勝利だ。ドイツ軍が生き残ればドイツ軍の勝利だ。
不意打ちはなしだ。
ソ連軍は3-1なので除去ナンバーは8
ドイツ軍は1-1で除去ナンバーは5だ。
ソ連軍のダイスは8!!ドイツ軍は潰滅。
■勝利条件の確認
勝利条件のR2とL6の建物2個(上の写真の赤いLevel3マーカーを配置した建物)を占領したので、ソ連軍の勝利だ。
■感想
このシナリオも、シンプルだが、面白いシナリオだった。
ソ連軍の突進は少し強引だったかもしれないが、ソ連軍らしいといえるかもしれない。
指揮官は3人中2人を失い、1人が生き残った。
MMGは1挺全てが失われ、LMGは3挺のうち1挺が失われ1挺を奪われ、1挺がドイツ軍の手元に残った。
損耗率は概ね67%=2/3だ。
ソ連軍は14個分隊中7個分隊を失い、6.5個分隊が生き残った。そのうち1.5個分隊は混乱状態だった。
指揮官は3人中1人を失い、2人が生き残った。
MMGは1挺、LMG2挺の全てが残り、ドイツ軍のLMG1挺を鹵獲した。
損耗率は50%を少し超えたところだ。
▲失われた戦力
▲残存戦力
今回、ドイツ軍は、3個の建物に均等に部隊を配置した。
1個の建物の兵力を少なくする守り方や、思い切って1個の建物は渡すつもりで兵力を置かず2個の建物に兵力を集中する守り方もあるだろう。
ソ連軍も正面から勝利条件の建物を攻撃しないで包囲する方法や、別な建物を最初に攻撃する方法もあるだろう。
ASLSKのマップは意外な所から意外なLOSが通り、油断ならないし、それによって局面が大きく変わることがある。
どのシナリオもシンプルだが、奥が深くて面白い。
一応、ASLSK#1のシナリオ6個を1回以上プレイしたので、次はいよいよASLSK#2に進んでみたい。
ASLSK#2のシナリオも楽しみだ。