HJ『ベーシック3』(バルジ大作戦)(BULGE The Battle for the Ardennes 16 Dec. '44-2 Jan. '45)と同じゲームのSPI『バルジ大作戦』(BULGE The Battle for the Ardennes 16 Dec. '44-2 Jan. '45)をソロ・プレイしてみた。
前回、第3ターンで連合軍が勝利したので、今回、ドイツ軍勝利を目指してみたい。
また、いつもサドン・デスで終わってしまうので、今回は少しでも長くプレイすることを心がけてみる。
今回は歴史上の天候ではなく、変動天候([13.0]ダイスを振って天候を決める)を使う。
目次
■初期配置
初期配置は決まっている。
■第1ターン(1944/12/16)
曇天(Overcast)
クリスマス前ののんびりした空気がドイツ軍の猛砲撃によって破られた。
移動前戦闘では、ヘクス0503, 0804, 1005, 1307, 1506の5ヶ所を攻撃する。
この5ヶ所以外は、マイナスの戦力差になるので不利になる。
0503で米軍第14偵察連隊が壊滅した。
0804では米軍第106歩兵師団が独軍第62国民擲弾兵師団を撃退した。
1005では米軍第112歩兵連隊が0906に後退した。
1307では米軍第110歩兵連隊がClervaux(1308)に後退した。
Vianden(1506)では独軍第5降下猟兵師団と第352国民擲弾兵師団が後退した。
奇襲に成功したドイツ軍は前進を続ける。
Vianden(1506)の米軍第109歩兵連隊は、ドイツ軍3個師団の猛攻に耐えている。
Clervaux(1308)の米軍第110歩兵レイン帯もドイツ軍教導装甲師団と第2装甲師団の猛攻に耐えている。
0906で米軍第112歩兵連隊が全滅した。独軍第116装甲師団が戦闘後前進した。
0804で米軍第106歩兵師団が全滅した。独軍第12SS装甲師団が戦闘後前進した。
0403で米軍第99歩兵師団が後退不能で全滅した。独軍第12国民擲弾兵師団が戦闘後前進した。
0304では米軍第2歩兵師団が独軍第326国民擲弾兵師団を後退させた。
「ドイツ軍の攻撃は本格的な反攻のようです。」
「何?パットンやモントゴメリーにすぐにアルデンヌの森に増援を送るように伝えろ。橋梁妨害で時間稼ぎしてドイツ軍の突破を防ぐのだ。」
「はい。現在の位置取りだと橋梁妨害によってドイツ軍の突破を防ぐことは充分可能です。」
9RR(第9機甲師団R戦闘団)をSt.Vith(0707)に、入城させた。
9AR(第9機甲師団A戦闘団)をEttelbruck(1707)に入城させた。
各所の戦闘は米軍の慎重な戦いぶりにより、継続している。
0304から0403を攻撃した米軍第2歩兵師団は0305へ後退した。
米軍の橋梁妨害は効果的だ。
この日の損害は米軍4ユニット8戦力だ。
独軍に8VP入った。
■第2ターン(1944/12/17)
天候は霧(Mist)だ。
「Clervaux(1308)とVianden(1506)の米軍部隊を戦い潰せ」
南部の独軍指揮官の命令が飛ぶ。
Vianden(1506)を守っていた第109歩兵連隊が、Exよって、ついに力尽きた。
同町を独軍第5降下猟兵師団が占領した。
Clervaux(1308)はDrが出たが、町の場合、rが出ても後退しなくていいので、効果なしだ。
「St.Vith(0707)に入った米軍9RRと、0406の米軍9BRを包囲して叩き潰せ」
独軍北部の指揮官から命令が飛ぶ。
Monchau(0105)を攻撃した独軍第272国民擲弾兵師団が米軍第102偵察連隊の反撃で潰滅した。
0305では米軍第2歩兵師団が独軍4個師団に包囲されながら高い士気を維持して戦闘を継続している。
St.Vith(0707)を守備していた9RR(第9機甲師団R戦闘団)が独軍の装甲師団3個の猛攻に耐えきれず壊滅した。
同町に独軍第12SS装甲師団が入城した。
Clervaux(1308)には独軍急降下爆撃機が霧を突いて出撃したが、米軍戦闘機による迎撃に遭い泣く泣く引き返した。米軍第110歩兵連隊は独軍2個装甲師団1個国民擲弾兵師団の猛攻をしのいでいる。
Clervaux(1308)の部隊が生き残ったのは大きかった。もしこれが壊滅していたら、橋梁妨害がない空白地帯がClervaux(1308)周辺にぽっかり開いていた。
「Clervaux(1308)の第110歩兵連隊が殊勲賞ものだ。南部からパットン第3軍の第10機甲師団が到着する。それをHouffalize(1011)に移動させろ。北部からの第7機甲師団はTrois Ponts(0510)だ。第5歩兵師団Elsenborn(0306)に移動させて第2歩兵師団や第9機甲師団R戦闘団を援護しろ。」
援軍に駆け付けた米軍第9歩兵師団が0405の独軍第12国民擲弾兵師団を撃退させて、米軍第2歩兵師団を救った。
この日の損害は米軍2ユニット2戦力、独軍1ユニット1戦力だ。
2戦力-1戦力=1戦力
1VPが独軍に入り9VPになった。
4VPから21VPの間なので戦闘継続だ。
■第3ターン(1944/12/18)
天候は霧(Mist)だ。
ドイツ軍は対地支援ユニット1個を秘かに取った。
連合軍はCAPユニット1個を秘かに取った。
「北部では0405の米軍第9歩兵師団を追い返せ。Clervaux(1308)を占領せよ。」
Clervaux(1308)ではDrが出たが町では後退しなくていいので効果なしだ。
米軍第9歩兵師団は、さすがは歴戦の強者だ。独軍3個師団を撃退した。
「第82空挺師団と第101空挺師団が西から援軍に向かった。第82空挺師団はClervaux(1308)の第110歩兵連隊を救うためにWiltz(1509)に入れ!第101空挺師団はVielsam(0710)へ入れ。第30歩兵師団は第9歩兵師団や9RRと強力して独軍第18国民擲弾兵師団を殲滅せよ。」
米軍のアイゼンハワーが下命する。
0606で米軍第9機甲師団R戦闘団と独軍第18国民擲弾兵師団が相撃ちになった。
Clervaux(1308)の米軍第110歩兵連隊は粘り強く戦っている。
1702で独軍第212国民擲弾兵師団が米軍第4歩兵師団を潰滅させた。独軍第212国民擲弾兵師団がEchternach(1802)を占領した。
第3ターンの両軍の損害は次のとおりだ。
この日の損害は米軍2ユニット6戦力、独軍1ユニット2戦力だ。
6戦力-2戦力=4戦力
4VPが独軍に入り13VPになった。
8VPから40VPの間なので戦闘継続だ。
■第4ターン(1944/12/19)
天候は曇天(Overcast)だ。
独軍はClervaux(1308)を攻撃する。Drのため効果なしだ。
米軍第110歩兵連隊が粘る。
「0607の米軍第30歩兵師団を装甲師団で囲んで撃滅しろ。Clervaux(1308)は今日中に落とせ!!Ettelbruck(1707)も包囲して落とせ」
ヒトラー総統の檄が飛ぶ。
Clervaux(1308)で、弾薬も食料も尽きたので、米軍第110歩兵連隊がついに降伏した。
0607で精鋭米軍第30歩兵師団が独軍の3個の装甲師団と正面から激突し潰滅した。
0305で米軍第2歩兵師団がElsenborn(0306)へ後退した。
0506で米軍第9歩兵師団が後退した。
第30歩兵師団の壊滅が連鎖しているようだ。
南部のEchternach(1802)にいる米軍第9機甲師団A戦闘団は粘り強く抵抗する。
アイゼンハワーは「これ以上独軍を前進させるな。第10機甲師団をBastogne(1412)に入れ、第101空挺師団をHouffalize(1011)に入れ、第1機甲師団をVielsam(0710)に入れ、第1歩兵師団をTrois Ponts(0510)に入れろ。」と次々に命令する。
Monchau(0105)の米軍第102偵察連隊の反撃が、独軍第326国民擲弾兵師団の待ち伏せに遭い、壊滅した。独軍第326国民擲弾兵師団がMonchau(0105)を占領した!!
第4ターンの両軍の損害は次のとおりだ。
この日の損害は米軍3ユニット8戦力、独軍0ユニット0戦力だ。
8戦力-0戦力=8戦力
8VPが独軍に入り21VPになった。
10VPから60VPの間なので戦闘継続だ。
■第5ターン(1944/12/20)
曇天(Overcast)
「米軍がWiltz(1509)ーBastogne(1412)ーHouffalize(1011)ーVielsam(0710)ーTrois Ponts(0510)ーElsenborn(0306)と戦線を張っていて隙がありません。」
「Vielsam(0710)の米軍第7機甲師団とHouffalize(1011)の米軍第101空挺師団を撃破しろ。Vielsam(0710)とHouffalize(1011)を壊滅させれば前方には川がないから橋梁妨害の影響がないぞ。」ヒトラー総統が命じる。
Ettelbruck(1707)の米軍第9機甲師団A戦闘団が粘り強く巧みに戦って損害を出さない。
Houffalize(1011)を攻撃した独軍装甲師団2個が米軍第101空挺師団によって撃退された。
0407で圧倒的不利な状況で戦った米軍第9歩兵師団が0308へ川を渡って後退した。
「英軍のモントゴメリーにも援軍を送れ、と言え」アイゼンハワーが怒る。
「英軍の増援も本日到着予定です。」
米軍第7機甲師団が0810にいたスコルツェニー装甲旅団を撃退した。
「1211に進出してきている独軍装甲教導師団(Lehr)を撃滅しろ」パットンが南部から指示する。
「英軍の増援がMeuse河西岸で停止しました。」
「何?それじゃぁ援軍の意味が無い。至急、Houffalize(1011)へ移動せよ、と伝えろ。」
とアイゼンハワーが言う。
しかしモントゴメリーはどこ吹く風だ。
1211で独軍装甲教導師団(Lehr)が、米軍第3、第4,第10機甲師団に包囲されて全滅した!!
この日の損害は米軍0ユニット0戦力、独軍1ユニット4戦力だ。
0戦力-4戦力=-4戦力
4VPが連合軍軍に入り17VPになった。
14VPから80VPの間なので戦闘継続だ。
■第6ターン(1944/12/21)
曇天(Overcast)
「今包囲しているElsenborn(0306)、Vielsam(0710)、Ettelbruck(1707)は、移動前戦闘フェイズ中に何としても陥落させろ。と、ヒトラー総統のご命令だ。」
ドイツ軍は移動前戦闘フェイズのダイスに全力を集中する。
だが、ダイスは無念にもDrばかりだ。
Vielsam(0710)米軍第7機甲師団が独軍4個装甲師団との戦いに使用できる戦車がなくなり三々五々後退していった。
同町を独軍第2SS装甲師団が占領した。
Elsenborn(0306)で米軍第2歩兵師団と独軍第3装甲擲弾兵師団が相撃ちになった。
英軍はMeuse河西岸から動く気配がない。
アイゼンハワーが怒っているが、モントゴメリーには馬耳東風だ。
南部から来るパットン第3軍の援軍が各地で反撃を開始した。
南部の1806で独軍第352国民擲弾兵師団が壊滅した。
北部の0206で後退不能に陥った独軍第326国民擲弾兵師団が壊滅した。
この日の損害は米軍2ユニット9戦力、独軍3ユニット8戦力だ。
9戦力-8戦力=-1戦力
1VPが独軍に入り18VPになった。
このターンは18VP以下なら連合軍の勝利、80VP以上なら独軍の勝利だ。
18VPのため連合軍の勝利だ。
ドイツ軍最後の反撃は、クリスマス前に撤収を開始し終了した。
■感想
ドイツ軍は惜しいところだった。
次のターンに入れたら、Trois Ponts(0510)とHouffalize(1011)の間に開いた穴から、地図盤北端への大突破ができたはずだ。
ただ、南からの米軍の圧力を封じ込めるかは疑問ではあるが・・・。
ドイツ軍は最初の頃の進撃スピードが落ちると、連合軍に防衛線を張るための時間ができ、苦しくなる。
今回、Vielsam(0710)やClervaux(1308)、Houffalize(1011)などで足止めを食らい、米軍が援軍を集める時間を稼げたのが連合軍勝利につながった。
今回、初期配置された米軍12ユニット中最後まで残ったのは9AR(第9機甲師団A戦闘団)の1個だけだった。
それだけ独軍がうまく米軍ユニットを除去していったのだが、それでも足りなかった。
天候もかなりドイツ軍有利だったのだが・・・。
両軍どちらを担当しても、移動とユニットの位置取りに、とても頭を使うゲームだ。
少ないユニット数、小さい地図盤だが、頭を使うポイントが多くて、意外と時間がかかる。ちょっとした移動のミスで、戦局が大きく変わる可能性がある。そして一気にサドンデスで決着がつく可能性がある。
このゲームの魅力は、たった一手の違いで、戦局が全然違ってきて、両軍どちらも勝利する可能性があることだ。
プレイすればするほど、スルメのように味わいのある魅力がわかる面白いゲームだ。