Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

古典的なAH『電撃作戦』(Blitzkrieg)バトルレポート(AAR)


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【1】ゲーム紹介

 

1965年にアバロンヒル社から発売されたボード・ウォー・ゲームだ。

1965年発売!!まさに古典だ!

第二次世界大戦時の米英もモデルとしたグレート・ブルー国とドイツ軍をモデルとしたビッグ・レッド国の架空戦ゲームだ。

 

ゲーム・デザインは、 ルール・ブック上のクレジットはLawrence Pinskyだが、Board Game Geekでは、Larry PinskyとThomas N. Shawとなっている。

 

架空戦ゲームのため、1ターンの時間やヘクスの対辺距離は不明だ。ユニットは師団規模だ。

 

Basic Game、Basig Game Optional Rules、Tournament Game,Tournament Game Optionalsの4段階になっている。『タクテクス』(TACTICS)誌第12号(1983/11-12)では難易度2から5になっている。ルール・ブックは英語版で20ページで、日本語版で15ページ(第3版では20ページ)だ。

 

マップは架空の大陸を表しており、350mmx560mmx3枚だ。

 

ユニット数は約400個だ。

 

ゲーム・シーケンスは移動と戦闘を繰り返すシンプルだ。『激闘マジノ線』(The Game of France, 1940: German Blitzkrieg in the West)のような機械化移動がなく、戦闘後前進ルールも無いので、電撃作戦をうまく表現できているのかわからない。

 

スタッキングは3ユニットまでだ(英語版ルール・ブック)。

私が持っているホビージャパンの日本語版ルール・ブックだと「戦闘力12まで」とある。

 

移動は、敵ZOCに入ったら停止。

道路を移動するときは1/3移動力。

砂漠地帯を移動する機甲部隊と空挺部隊は1/2移動力。

山岳地帯に入った時はそこで停止し、山岳地帯では1ターンに1ヘクス。

森林は機甲部隊や砲兵は進入禁止。その他のユニットは森林進入時に停止し森林からの移動時は許容移動力-1となる。

都市から都市への空輸距離は20ヘクス。

 

マスト・アタックで戦闘比による戦闘解決だ。

 

勝利条件は、次のいずれかを達成することだ。

A)第14ターンまでに相手ユニットをすべて除去する

B)2ターンの間、敵国の全都市を占領または友軍ZOC内にする

C)第15ターン終了時に35個以上の都市を友軍支配下に置く

 

それではプレイしてみる。

 

【2】初期配置


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【3】第1ターン

今回は基本ゲームでプレイしてみた。

 

グレート・ブルー軍が中立を侵犯し中小国の国境を侵犯し怒涛の如く侵攻する。

中小国はビッグ・レッド国に救援要請する。


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ビッグ・レッド軍が中小国の国境を越えて西進する。


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【4】第2ターン

グレート・ブルー軍が3方向から進撃する。


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OO-30でビッグ・レッド軍とグレート・ブルー軍最初の戦いの火蓋が切られた。

この都市を大兵力で包囲したと思ったが意外にも戦闘比は1-1だ!


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グレート・ブルー軍は後退不能のため全滅した。

OO-30をビッグ・レッド軍が解放した。


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【5】第3ターン

攻め込んだグレート・ブルー軍が防衛線を張って待機する。


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両軍とも戦線を張って第一次世界大戦の様相を呈してきた。


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【6】第4ターン

グレート・ブルー軍の侵攻が手詰まりになってきた。

「総統閣下が相当お怒りだぞ。」と副総統が将軍たちに笑えない冗談を言ったがこの状況を打開する妙案は生まれない。


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ビッグ・レッド軍も膠着状態に陥った。


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【7】第5ターン

グレート・ブルー軍ドンメル将軍がGreat Koufax砂漠でビッグ・レッド軍に攻勢をかけた。


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両軍とも1個機甲師団と1個歩兵師団を失った。


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砂漠に進出したビッグ・レッド軍はわずか2個歩兵師団になってしまった。「敵は7個歩兵師団に1個機甲師団と圧倒的です。」ビッグ・レッド軍ベーベル将軍は一気に後退してしまった!

援軍の第4機甲師団が後退してきた第1、第3歩兵師団を追い抜いてしまった!

援軍を送ったジャーチル首相は激怒しベーベル将軍を即刻解任した。

後任はモンゴメリー将軍だ。


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Pinsky湖北は戦線ができてしまい、膠着状態だ。


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Pinsky湖西側はイタリア戦線のように細くて北上できない。


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【8】第6ターン

グレート・ブルー軍がGreat Koufax砂漠とその近くの山岳地帯から突進する。


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ビッグ・レッド軍第3機甲師団が壊滅した。


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ビッグ・レッド軍は空挺降下をして、X-27とV-33を解放した。


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砂漠地帯ではグレート・ブルー軍ドンメル将軍の第8機甲師団が包囲殲滅された。


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【9】第7ターン

本来なら今頃はビッグ・レッド国首都で占領パレードをしている予定だったヘスラー総統は、戦況が思わしくなくご機嫌斜めだった。

首都に近いV-33を占領されて怒っていた。

 

ビッグ・レッド軍空挺部隊殲滅のために軍を移動させた。

都市を守る部隊の防御力は2倍になるので戦闘比が低い攻撃は避けて封鎖する。

砂漠地帯ではビッグ・レッド軍機甲師団を包囲した。


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砂漠地帯ではレッド軍モンゴメリー将軍の3個機甲師団が全滅した。

ビッグ・レッド軍はV-20,Q-16,L-19, J-28を解放した。

 

自国の諸都市をビッグ・レッド軍空挺部隊によってゲリラ的に占領され、ヘスラー総統は「陸軍はなにをやっておるのか!?」と激怒し、親衛隊に命令して、陸軍トップを密かに事故死させた。

 

ビッグ・レッド軍空挺部隊トップのチャドウィックは「空挺部隊はこうして使うんだ。」とほくそ笑んでいた。「だが、地上軍の援護がないと戦いが苦しくなる。」ともわかっていた。


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【10】第8ターン

グレート・ブルー軍は砂漠地帯や山岳地帯で攻勢をとる。

また、自国内の都市の奪還に向けて部隊を移動させる。


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山岳地帯で両軍とも2個歩兵師団を失った。

J-28でビッグ・レッド軍第26空挺師団が全滅した。

 

ビッグ・レッド軍は空挺降下を駆使してC-20, D-7, G-4の三都市を占領した。


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現時点で、両軍の損害は、グレート・ブルー軍8ユニット、ビッグ・レッド軍9ユニットだ。

 

【11】第9ターン

グレート・ブルー軍はビッグ・レッド軍空挺部隊を一つ一つ包囲する。

砂漠地帯や山岳地帯でも攻勢をかける。f:id:Haruichiban0707:20230916120456j:image

都市C-20でグレート・ブルー軍第15機甲師団とビッグ・レッド軍第17空挺機甲師団が相討ちになった。

グレート・ブルー軍2個機甲師団とビッグ・レッド軍2個歩兵師団が相討ちになった。

砂漠地帯でビッグ・レッド軍第16,17歩兵師団が全滅した。

山岳地帯ではビッグ・レッド軍2個歩兵師団とグレート・ブルー軍1個機甲師団と1個砲兵師団が相撃ちになった。


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グレート・ブルー軍の損害は、13ユニット、ビッグ・レッド軍の損害は、16ユニットだ。

 

ビッグ・レッド軍はS-26, V-20を空挺降下で解放した。


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【12】第10ターン

ドンメル将軍率いるグレート・ブルー軍が砂漠地帯で前進を続ける。

ビッグ・レッド軍空挺部隊を包囲した。
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グレート・ブルー軍がビッグ・レッド軍空挺部隊をとうとう全滅させた。

ヘスラー総統はご満悦のご様子だ。

ビッグ・レッド軍で空挺部隊を指揮していたチャドウィック将軍は「地上軍が前進してこないからだ!」と怒ったが後の祭りだ。

モンゴメリー将軍率いるビッグ・レッド軍砂漠軍団で歩兵師団2個が壊滅し、2個歩兵師団が後退した。


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ビッグ・レッド軍モンゴメリー将軍が砂漠地帯に援軍を依頼した。ジャーチル首相は部隊を移動させる。

 

この時点でグレート・ブルー軍の損害は、16ユニット、ビッグ・レッド軍の損害は、20ユニットだ。

 

【13】第11ターン

グレート・ブルー軍はビッグ・レッド軍の空挺作戦を真似してJJ-46とNN-48を占領した。

砂漠地帯ではドンメル将軍がモンゴメリー将軍の部隊に向かって前進する。


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砂漠地帯でモンゴメリー将軍の部隊が後退した。


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ビッグ・レッド軍はグレート・ブルー軍空挺部隊撃滅のためにPinsky湖西岸から部隊を抽出した。


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グレート・ブルー軍第38空挺師団とビッグ・レッド軍第13機甲師団が相撃ちになった。

ビッグ・レッド軍はJJ-46を奪還した。
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【14】第12ターン

グレート・ブルー軍は、砂漠地帯でドンメル将軍がモンゴメリー将軍を圧倒する。

Pinsky湖西岸で、部隊を抽出して戦力が減ったビッグ・レッド軍に攻撃をかける。

空挺師団はJJJ-56とZZ-48を占領した。

ビッグ・レッド国首都を守る部隊が皆無のため、ジャーチル首相は陸軍に「早く部隊をよこせ!」と怒鳴りつけた。


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砂漠地帯でモンゴメリー将軍は3個歩兵師団を失った。

しかし、ドンメル将軍も2個機甲師団と4個歩兵師団を失った!!

Pinsky湖西岸でビッグ・レッド軍は1個機甲師団と2個歩兵師団を失った。


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グレート・ブルー軍は23ユニットを失った。

ビッグ・レッド軍は27ユニットを失った。

 

ビッグ・レッド軍は首都防衛と砂漠地帯出口の防御を固める。


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【15】第13ターン

グレート・ブルー軍ドンメル将軍が砂漠地帯の出口にさしかかった。

Pinsky湖西岸で攻勢をかける。

空挺部隊はBBB-54とRRR-54を占領した。


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モンゴメリー将軍の部隊は後退した。


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Pinsky湖西岸に突破口が開いた。

 

ビッグ・レッド軍はPinsky湖西岸の突破口を塞いだ。

ビッグ・レッド軍のモンゴメリー将軍は砂漠地帯の防衛をあきらめ、都市BBB-33まで後退した。


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グレート・ブルー軍の損害は、28ユニット、対するビッグ・レッド軍の損害は、29ユニットと互角だ。

 

【16】第14ターン

グレート・ブルー軍空挺部隊がIII-37, RRR-39を占領した。 

砂漠地帯を突破したドンメル将軍の部隊がWW-32を包囲した。

Pinsky湖西岸ではグレート・ブルー軍が戦線の西端から進撃する。


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WW-32をグレート・ブルー軍が占領した。


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ビッグ・レッド軍はグレート・ブルー軍に占領された都市の奪還に翻弄される。


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【17】第15ターン(最終ターン)

いよいよ最終ターンだ。

ヘスラー総統は講和を少しでも有利にするよう都市の占領を厳命した。

空挺部隊がFFF-30, NNN-35を占領した。

砂漠地帯ではドンメル将軍がモンゴメリー将軍の部隊にとどめを刺そうと攻撃する。

Pinsky湖西岸でも攻勢をかける。


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砂漠地帯でモンゴメリー将軍の2個歩兵師団がグレート・ブルー軍2個歩兵師団と相撃ちになった。

中央戦線でビッグ・レッド軍2個歩兵師団が壊滅した。

Pinsky湖西岸でビッグ・レッド軍歩兵師団1個が壊滅した。


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ビッグ・レッド軍は自国内都市を奪還していく。

北辺ではグレート・ブルー軍第40空挺師団を包囲した。


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グレート・ブルー軍精鋭第40空挺師団はFFF-30を保持した。

 


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【18】勝敗の確認

 

A)第14ターンまでに相手ユニットをすべて除去する。

両軍ともこの条件は達成できなかった。

グレート・ブルー軍の損害は、28ユニット、ビッグ・レッド軍の損害は、36ユニットだった。



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B)2ターンの間、敵国の全都市を占領または友軍ZOC内にする

両軍ともこの条件を達成できなかった。

 

C)第15ターン終了時に35個以上の都市を友軍支配下に置く

 

地図盤西

グレート・ブルー軍15個

ビッグ・レッド軍0個
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地図盤中央

グレート・ブルー軍6個

ビッグ・レッド軍11個
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地図盤東

グレート・ブルー軍3個

ビッグ・レッド軍8個
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合計

グレート・ブルー軍24個

ビッグ・レッド軍19個

 

両軍ともこの条件を達成できなかった。

 

両軍とも全条件を達成できなかったため引き分けだ。

 

ヘスラー総統とジャーチル首相の講和が成立した。ヘスラー総統はビッグ・レッド国内3都市を返還する代わりにPinsky湖西岸と東岸を獲得した。

両国の間にあった中小国がなくなり、両国により分割された。


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【19】感想

機械化移動や戦闘後前進やオーバーランがないので、ドイツ軍が第二次世界大戦で実施したいわゆる電撃戦らしい戦いにはならなかった。

しかし、空挺部隊に対する備えがなかったこともあり、空挺部隊は大活躍した。

 

今回は基本ゲームだったので空軍やレンジャー部隊が登場しなかったり、海兵隊も一般歩兵のような戦い方をしたので、第一次世界大戦のような展開になった。

 

なかなか面白いゲームなのでまたプレイしてみたい。