初期配置
本ゲームはSPI社のStrategy & Tactics誌第84号にて発表され、その後ボックスゲームとなり、後にHJ社から日本語版が出て、その後コマンドマガジン第133号の付録となったゲームである。
西部戦線シリーズ(Victory in the West)シリーズの第2弾である。
1945年2月から3月初めにかけて、ライン川西岸で行われたアメリカ第9軍による攻撃を暑かったゲームである。
最大の特徴はユニットの戦闘力が戦闘開始時に引く戦力チットを見るまでわからない、という点である。
戦闘は、地形、同一師団効果、観測効果、諸兵連合効果、砲撃支援、対地支援、泥沼などによりコラムシフトする。ユニットを効率よく動かすことで大きな戦闘比にできるので、そこに頭を使うことになる。
ドイツ軍の初期配置は決まっている。アメリカ軍は連隊レベルは決まっているが、大隊レベルはプレイヤーの任意となる。
ドイツ軍はローエル川の増水を、急速増水と漸次増水を選択できる。
漸次増水を選ぶとアメリカ軍はいつ作戦を開始するか、つまり第1ターンをいつにするか選択できる。
アメリカ軍にとっては少しでも早く作戦を開始したい。早く開始するとローエル川の流れが速く、ドイツ軍の守りが堅くなる。
どのくらいドイツ軍の守りが堅くなるのかわからないので今回は、一番早い2/17にした。
ドイツ軍はローエル川の流速を決めるためにサイコロを振る。
第1ターン(1945/2/17)
天候晴れ
ローエル川の流れ 奔流
奔流だとドイツ軍の防御力は上流で5倍。下流で4倍(防御側が構築陣地にいると5倍)になる。
アメリカ軍プレイヤーターン
アメリカ軍は奔流のローエル川を渡河し果敢に攻撃を仕掛けた。
ヘクス0110で一気に米軍渡河!!
ヘクス0908でドイツ軍第81軍団第363歩兵師団第1158連隊壊滅
奇襲効果もあり、2ヶ所で渡河成功した。
ドイツ軍プレイヤーターン
早くも第58軍団第338歩兵師団が増援として到着した。
第2ターン(1945/2/18)
天候薄曇り
アメリカ軍プレイヤーターン
ヘクス1008でドイツ軍第81軍団第59歩兵師団第1034連隊壊滅
アメリカ軍は6ヘクスで渡河成功!
奔流でも思った以上にアメリカ軍の攻撃が成功した。ドイツ軍の戦力チットが低く、1が多かったのが一つの原因だ。
ドイツ軍プレイヤーターン
ドイツ軍の増援が北端と南端から到着した。
調子に乗って突出したアメリカ軍第8歩兵師団の補給線を封鎖する。
南部ではErft川に防衛線を張る。中央ではローエル川の防衛線から後退する。
ドイツ軍の難しさはいつまでローエル川の堅い構築陣地にこもるか、いつ後退して次の防御拠点に移動するか、の判断である。
ローエル川沿いの構築陣地は一番堅いのでなるべくそこで守備したいが、後退が遅れると包囲殲滅されてしまい、第二線を防御するユニットが少なくなってしまう。
あまりに早く後退してしまうとせっかくの堅固なローエル川沿いの防衛線を放棄することになる。ドイツ軍にはローエル川沿い以上の防御に適した場所がないのだ。
第3ターン(1945/2/19)
アメリカ軍プレイヤーターン
天候晴れ
アメリカ軍は8ヘクスで攻撃をかける。
ヘクス0210でドイツ軍第58軍団第353歩兵師団第943連隊壊滅。Dueren陥落。アメリカ軍第8歩兵師団の孤立状態も回復した。
ヘクス0910でドイツ軍第81軍団第403砲兵旅団、第363歩兵師団第1157連隊壊滅。数少ない砲兵の壊滅は痛い。
ヘクス1209Erkerenzではアメリカ軍第13軍団第84歩兵師団の攻撃をドイツ軍が撃退した。第335連隊は基幹状態にまで戦力ダウン。
北部ではドイツ軍がアメリカ軍の攻撃に耐えている。構築陣地の防御力は強い。
ドイツ軍プレイヤーターン
南部ではErft川に防衛線を張った。中央ではローエル川の防衛線から後退しErft River沿いに第二線の防御拠点に防衛線を張った。
コマンドマガジン133号のリプレイを読むとここではなく、ヘクス1106から1415に至る防御拠点に防衛線を張っている。
確かにErft Riverを渡って東に進んでも勝利ポイントになるヘクスはKoelnだけだが、北に向かうと多くの勝利条件ヘクスがあるので、ドイツ軍としては北を守るべきなのだ。
第4ターン(1945/2/20)
天候薄曇り
アメリカ軍プレイヤーターン
アメリカ軍は7ヘクスで攻撃する。
ヘクス0410でドイツ軍第58軍団第12歩兵師団第27連隊壊滅
ヘクス0210でドイツ軍第58軍団第12歩兵師団第48連隊壊滅
ヘクス0912でドイツ軍第81軍団第9装甲師団第33装甲大隊壊滅
ヘクス1110でドイツ軍第81軍団第59歩兵師団第1036連隊壊滅
アメリカ軍はローエル川をほとんど制圧した。あと2ヘクスにドイツ軍が存在するだけだ。
史実では2月23日まで作戦開始を延期したが、今回のプレイでは、その必要はなかったようだ。
ドイツ軍プレイヤーターン
第5ターン(1945/2/21)
天候曇り(雨)
アメリカ軍プレイヤーターン
アメリカ軍は雨の中9ヘクスで攻撃する。
ヘクス0214でドイツ軍第58軍団第338歩兵師団第753連隊壊滅
ヘクス0315でアメリカ軍第7軍団第8歩兵師団が大損害を受けて後退。
ヘクス0714でドイツ軍第58軍団第338歩兵師団第758連隊壊滅
ヘクス0815でドイツ軍第81軍団第363歩兵師団第1156連隊壊滅
ヘクス1705でドイツ軍第12軍団第176歩兵師団第1220連隊壊滅
ドイツ軍プレイヤーターン
ドイツ軍はヘクス1014Grevenbroichを放棄。
第6ターン(1945/2/22)
天候曇り(雨)泥沼
アメリカ軍プレイヤーターン
ヘクス0116でドイツ軍第58軍団第353歩兵師団第941連隊壊滅
ヘクス1804でドイツ軍第2軍団第8空挺師団第22連隊壊滅
Roermond陥落
ドイツ軍プレイヤーターン
第7ターン(1945/2/23)
天候薄曇り泥沼
アメリカ軍プレイヤーターン
ヘクス0317 Frechen陥落
ヘクス1118でドイツ軍装甲教導師団が大損害を受けて後退
ヘクス1415でドイツ軍第81軍団第59歩兵師団第1035連隊壊滅
ヘクス1412Rheydt陥落
ヘクス1209Erkerenzでは激闘が続いている。
ドイツ軍プレイヤーターン
第8ターン(1945/2/24)
天候薄曇り泥沼
アメリカ軍プレイヤーターン
ゲーム終了後ルールを読むと泥沼は雨の後2ターンだけだった。[24.2]『猛将パットン』(Patton"s 3rd Army)同様、4ターン続くと勘違いした。
泥沼の不利があったが、アメリカ軍は攻撃を仕掛ける。
Koelnにドイツ軍国民突撃隊4大隊登場
アメリカ軍は13ヘクスで大攻勢をかける。
ヘクス0219ではドイツ軍国民突撃隊がアメリカ軍を撃退した。ヘクス1019でドイツ軍第58軍団第338歩兵師団第757連隊壊滅。
Koelnの2ヘクスをアメリカ軍が制圧した。
ヘクス1019でドイツ軍装甲教導師団第130装甲大隊壊滅。
ヘクス1317Neussをアメリカ軍占領
ヘクス1209Erkerenz陥落。ドイツ軍第81軍団第11装甲師団壊滅。
ヘクス1407ではアメリカ軍第16軍団第79歩兵師団が大損害を受けて後退。
ヘクス1513 ドイツ軍第12軍団第183歩兵師団第1150連隊壊滅。Moenchengladbach陥落。
ヘクス1610ドイツ軍第12軍団第2降下猟兵連隊壊滅
ヘクス1812Viersan陥落。
ヘクス2209 Venlo陥落。
アメリカ軍の攻勢は大成功した。やはりローエル川より東の防御拠点は弱いためアメリカ軍の攻勢に耐えられない。
ドイツ軍プレイヤーターン
第9ターン(1945/2/25)
天候晴れ泥沼
アメリカ軍プレイヤーターン
ヘクス1811 Duelken陥落
時間の関係で今回はここで終了。
ドイツ軍の残存部隊は以下のとおり。
アメリカ軍の残存部隊は以下のとおり。
16ステップロスしている。
本ゲームは戦争末期のため、一方的にドイツ軍が攻められ、ドイツ軍にできることは限られている。
アメリカ軍はコラムシフトを高めるようにどう部隊を移動させ集中攻撃をかけるか頭を使う。
このシリーズは一方的な展開ながらなぜか何度も試してみたくなる不思議な魅力のあるゲームだと思う。