Advanced Squad Leader(ASL)の『Yanks』最初のシナリオ「DEFIANCE ON HILL 30」をプレイしてみる。
- タイトル直訳「30高地の反攻」
- 1944年6月8日、 PONT L'ABBE近郊、フランス:
- 勝利条件
- 地図盤
- ■初期配置
- ■第1ターン(1944/06/08)
- ■第2ターン
- ■第3ターン
- ■第4ターン
- ■第5ターン
- ■第6ターン
- ■第7ターン
- ■第8ターン
- ■勝利条件の確認
- ■感想
タイトル直訳「30高地の反攻」
直訳すると、「30高地の反攻」と言ったところか。
『戦闘指揮官』(Squad Leader)シリーズは、ルールを学習しシナリオを進めないといけなかったが、ASLはルールが共通なので、面白そうなシナリオを選んで自由な順序でプレイできる。ということで、『Beyond Valar』がまだ残っているが、今回は『Yanks』のシナリオをプレイしてみる。
日付とフランスで米第82空挺師団ということで、ノルマンディー上陸作戦を扱ったシナリオかと思った。しかし、ASL Scenario Archiveを見ると、戦場となったところは、ノルマンディー上陸作戦の戦場からはずいぶん離れた所のようだ。
かつて、Pont L'abbeという地名だったのが変わったのかもしれない。
おそらく、年月日からみて、この時期の第82空挺師団なら、ノルマンディー近郊以外に降下するとは思えない。シナリオにあるDouve川でGoogle Mapで検索すると、やはりノルマンディーからシェルヴールに向かう途中だ。おそらくこちらが正しいだろう。
Pont L'abee橋で検索すると、「ポン・ラベ」という地名が出てきた。やはりシェルブールに向かう途中のようだ。ここなら空挺降下する意味がある重要な地点だ。
もともとは、ASL第2作『Paratrooper』のシナリオだった。『Paratrooper』がなくなり第3a作『Yanks』に統合されて『Yanks』に含まれるようになった。
1944年6月8日、 PONT L'ABBE近郊、フランス:
第508パラシュート歩兵連隊は、降下不良によりDouve川沿いの目標を確保することができなかった。Shanley中佐以下、およそ2個中隊からなる臨時集団が最善の努力を払ったが、Pont l'Abbeの橋に向けた行動は、第1057擲弾兵連隊の1個大隊によってぴたっと止められた。このように拒絶された空挺部隊は、Chef-du-Pontの交差点を見下ろす高台に後退し、その後2日間、包囲され、絶えず攻撃を受けることになった。この陣地の重要な拠点は、農場と、丘の下にある道路の交差点に立っている哨所で、西から橋に向かう道路を塞いでいた。6月8日の夜明け、ドイツ軍はこの橋を奪取するために最も強力な攻勢をかけた。
勝利条件
勝利条件は、9ターンまでに、建物 2T8、2V8、2W9、2W7 を制圧すると勝利する。または、そのうちの 1 つ以上を制圧し、アメリカ軍(SSR 3参照)より多くのCVPを獲得すると勝利する。
地図盤
地図盤2,4を使用する。
果たして、今回はどうなるだろうか?
■初期配置
米軍は2V8の4ヘクス以内に配置する。
DMマーカーを配置した範囲内だ。
実際には4I10に1個分隊とMMG, 4K9に半個分隊と軽迫撃砲, 4L9に8-1指揮官と1個分隊とバズーカ砲, 4N9に1個分隊とバズーカ砲, 2R8に1個分隊を配置した。
米軍の援軍は第4ターンに50%の確率で第5ターンに50%の確率で5個分隊地図盤西端から登場する。
■第1ターン(1944/06/08)
麦畑が点在するので、独軍の戦術は次の通りだ。
赤い標的マーカーを置いた地点から米軍を拘束する。
青い標的マーカーを置いた地点から、勝利条件の建物(緑の標的マーカー)に向けて前進する。
Halle軍曹率いる北チームが4I列を西に直進する。
Kubachi中尉率いる部隊は4Q1から4R8の林を目指す。
Becker軍曹の部隊は4S1から入り4T9を目指す。
「4I6に独軍3個分隊が来ました。撃ちますか?」米軍第82空挺師団第508パラシュート連隊S分隊の一歩兵が分隊長に質問する。
「数が多い。敵が撃つまで待つんだ。」と分隊長が答える。
独軍が麦畑の向こうの林(4I6)から射撃する。
「見ろ。検討違いの方ばかり撃っている。まだ我々の正確な位置がわからないようだ。」分隊長が部下に話す。
4L9ではCreighead軍曹率いる米軍1個分隊が潜んでいる。独軍が距離320mで4M2から射撃してきたが分隊からは遠い所を射撃している。
「静かにしていろよ。敵があの開豁地を移動してきて射程に入ったら一斉射撃して一網打尽にしてやる。」とCreighead軍曹が部下達にささやく。部下達もわかっているので静かにうなずく。
■第2ターン
4I6では、独軍分隊によるMMGや迫撃砲の組み立てが行われた。
「4R8の林に独軍3個分隊が移動してきました。」と米軍一歩兵からの報告だ。
「まだ撃つな!敵にこちらの位置を知られるから絶対に撃つな!」と米軍分隊長が答える。
米軍から一発も弾丸が飛んでこない。
「富士川の合戦の時の平家みたいにもう米軍はいないのではないか?」と日本文学専攻の独軍兵士が隣の兵士に話す。
「富士川がなんだか知らないが、敵がいるのは確かだ。俺のカンだけどな。十分引きつけてから撃ってくるつもりだ。油断するなよ。」と隣の兵士が答える。
2R8の米軍が、4R8の独軍から正確な射撃を受けた。
そこにいた米軍I分隊が混乱状態になった。
4N4に移動した独軍に4K9から60mm軽迫撃砲の砲撃だ。
独軍1個分隊がユニット置き換えられて4-6-7から4-4-7に落ちて混乱状態になった。
4K9の米軍軽迫撃砲が4I6の林を砲撃するが麦畑越の砲撃のため正確性がない。
4I6の独軍が50mm軽迫撃砲やMMGで4K9の米軍に反撃するが麦畑越しの射撃だから正確性がない。
4R8のKubachi中尉率いる3個分隊が4N9を射撃した。正確な射撃で米軍が1個分隊いることが判明した。
4T9のBecker軍曹の部隊は2T9を射撃した。
Greer軍曹が戦死。混乱状態の1個分隊が壊滅した。
4N9の米軍が4T9に反撃する。1個分隊が釘付け状態になった。
■第3ターン
4I6の独軍が軽迫撃砲で4K9を砲撃するが麦畑越しの砲撃はなかなか効果が出ない。
固有火力やMMGでも射撃し米軍半個分隊が釘付け状態になった。
4T9のBecker軍曹の部隊が4N9の米軍を射撃した。効果はない。
4R8のKubachi中尉の部隊が4N9の米軍を射撃し釘付け状態にした。
4N9の米軍分隊ではあまりに激しい独軍の銃撃に伏せるしかなかった。
独軍2個分隊が4P8のホビー・ジャパン木造建物に移動してきた。
4N9の分隊は独軍の激しい銃撃の中、スキをついて4P8を射撃するが効果ない。
4K9の米軍が軽迫撃砲で砲撃するが弾薬切れだ。
4P8の独軍が4N9の米軍を射撃するが麦畑越しに単独壕(Foxhall)内の米軍に効果はない。
4N9の米軍が4P8の独軍を射撃するが効果ない。
4P8の独軍が4N9を射撃するが効果ない。
4R8のKubachi中尉率いる部隊の射撃が正確で米軍分隊が混乱状態になった。
4T9のBecker軍曹の部隊が射撃するが追加の効果はない。
「林の中に敵はいません!」独軍歩兵の報告だ。
4H6の独軍が4I10を射撃する。
「敵の射撃は明後日の方向ですね。」と笑う米軍歩兵達。
「確かにそうだが油断するなよ。」分隊長は冷静だ。
■第4ターン
「4I10の建物に軽迫撃砲とMMGで攻撃を集中しろ。」4H6の独軍分隊長が部下達に指示を出す。
軽迫撃砲の砲弾が4I10の建物に降り注ぐ。
中の米軍分隊が浮き足立った。
Becker軍曹率いる部隊とKubachi中尉率いる部隊の両方が一直線に2T8の建物に向かって進む。
4L9にいた米軍Creighead軍曹と1個分隊が4M10の林に突入した独軍に火を噴いた。
独軍4-6-7が4-4-7に置き換えられた上、半減した。
独軍Becker軍曹とKubachi中尉の両部隊が2T8を射撃するが中は静まりかえっている。
「どうやら敵はこの哨所にいないようです。」と独軍の一兵士が報告する。
「よし!2T8に突撃して占領しろ!」Becker軍曹の指示通り2T8を独軍が占領した。
「米軍の増援が地図盤西端からもうすぐ来る。」とCreighead軍曹に連絡が入った。
Creighead軍曹が哨所に移動するか迷ったが現在の地点で継続戦闘することにした。
「4N9の敵を撃て!」とCreighead軍曹が部下に指示を出す。
4N9ではバズーカ砲や米軍の正確な射撃を浴びた独軍分隊が混乱状態になった。
4K9の半個分隊が4J10に移動した。
そこを4U9の独軍分隊が射撃した。米軍半個分隊はその場に伏せた。
独軍では軽機の弾薬切れだ。「誰か早く弾を持って来い!」と分隊の中の一人が叫ぶ。
4H6の独軍が4I10を射撃する。
米軍兵士が半数倒れた。
「2V8の哨所にも敵なし」独軍一兵士の報告がBecker軍曹に入る。
米軍の増援が2W7の建物に入った。
■第5ターン
「敵の反撃が止まったぞ。よし。他の部隊は4J9に向かって前進するぞ。」4H6の独軍分隊長が部下に指示する。
すかさず2W7から米軍の反撃だ。
射撃は正確でそこにいた米軍半個分隊の兵士たちは雲散霧消した。
2V8の哨所では独軍分隊長が「2W7に射撃しろ!」と命令した。約30人いた部隊は10人程度が、米軍の射撃を避けながら時々頭を上げて応戦射撃する。
2W7の米軍Jacson中尉が「2V8を撃て~!」と3個分隊に命令した。
4I10の独軍が4L10に移動した米軍2個分隊を臨機射撃する。
林の中を急に出てきて意表を突かれた射撃は効果を上げない。
米軍1個分隊が混乱状態、1個分隊が損耗して混乱状態になった。
独軍が2V8から2W7に反撃だ。Jacson中尉に弾が当たり負傷した。
「中尉、大丈夫ですか?」と歩兵がきく。
「あぐ~。大丈夫だ。傷は軽い。」とうめきながらJacson中尉が答える。顔は青ざめている。
独軍は4個の勝利条件建物のうち2個を占領した。
■第6ターン
独軍の射撃を受けた2W7で5名が倒れた。
2T8に移動した独軍に2T6の米軍が射撃し独軍2個分隊が混乱状態になった。
独軍は2V8に1.5個分隊を増援に送るが半個分隊が混乱状態になった。
米軍が2T6から2V8に射撃する。
「あの崖の上からの射撃か!あんな所にも米軍がいたのか!」Becker軍曹が驚く。
だが彼の頼りがいのある戦友達は動揺しない。
だが2W7からのバズーカ砲の射撃では彼らは混乱状態になった。
4J10に移動した米軍を独軍4J10から軽迫撃砲で砲撃する。
米軍半個分隊壊滅!!
独軍が2W9から2W7を射撃するが建物の背後にいる米軍には届かない。
2T8の独軍が崖上の2T6の米軍を射撃する。
崖上に見え隠れする米軍に当たらない。
勝利条件建物は独軍が4個中3個を占領している。
あと3ターンで占領できるだろうか
■第7ターン
独軍が2W9から2W7を射撃するが建物内にいる米軍1個分隊が混乱状態になった。
2T8の独軍が崖上の2T6の米軍を射撃する。
どうやら米軍1個分隊が損耗したようだ。
2W7から2W9に移動した独軍を米軍半個分隊がバズーカ砲で射撃したがバズーカ砲が完全に故障してしまった!!
2T6から2X8を射撃する。
パシュンパシュン・・・
妙な音がしてMMGから白い煙が上る。160m離れた2X8の林の中の独軍からも白い煙が見えた。
「米軍機関銃が故障したようだな。」Halle軍曹がニヤリと笑う。
2V8, 2W9から2W7を射撃する。
Jacson中尉が戦死!
米軍は3人の指揮官中2人が戦死し、1人が4L9にいる。
9.5個中5.5個分隊が壊滅した。
混乱状態の分隊が3個、5-4-6に装備や士気が落ちた分隊が1個だけだ。
4L10に移動した米軍分隊を4V8,4W9から独軍が射撃する。
2個分隊損耗!!
2X8の軽迫撃砲で崖上の2T6を砲撃する。0.5個分隊壊滅した。1個分隊が混乱状態になった。
米軍Creighead軍曹の所に、「もう我々でまともに戦える分隊が皆無です。」と報告が入る。
米軍は3人の指揮官中2人が戦死し、Creighead軍曹ただ1人だけが4L9にいる。
9.5個中6個分隊が壊滅した。
混乱状態の分隊が3.5個だけだ。そのうちCreighead軍曹の下には1個分隊だけだ。
■第8ターン
独軍が米軍を包囲し掃討に入る。
2S5の米軍は「前にも後ろからも敵が来ます!」半個分隊が雲散霧消した。
2L9ではほぼ全周から射撃を受け、Creighead軍曹のそばにいた15名がバタバタと倒れた!
2W7でも米軍分隊が壊滅した。
2S5の米軍混乱状態分隊が壊滅した。
2L9の白兵戦で米軍Creighead軍曹も戦死した。
米軍は全指揮官、全分隊を失った。
■勝利条件の確認
ドイツ軍が米軍全分隊を壊滅した。
勝利条件の建物全てを占領したのでドイツ軍の勝利!!
■感想
独軍が南部から勝利条件の建物を狙ったのは正解だったと思う。
一方の米軍は少し待ちすぎたかもしれない。
米軍から射撃し隠蔽マーカーがなくなるのを恐れすぎた。
もう少し地図盤東の部隊が残っていたら増援部隊と共同して戦えたと思う。
バズーカ砲は、『戦闘指揮官』(Squad Leader)より火力があり威力が増した。
軽迫撃砲も威力十分な歩兵支援兵器だ。
軽迫撃砲も『戦闘指揮官』(Squad Leader)の時より使いやすく威力が増したと思う。
このシナリオの米軍はユニット数が少ないので部隊配置に悩むところだ。最初から勝利条件の建物に配置するべきだろうか